ジャズマンがコッソリ愛する ジャズ隠れ名盤100/小川隆夫 -ブルー・ノート(Blue Note)編#2- ― 2007/12/15 21:35
『ジャズマンがコッソリ愛する ジャズ隠れ名盤100/小川隆夫(河出書房新社)』の中から、ブルー・ノートの作品を紹介したものだけを抜き出してみました。
今回が二回目です。詳しいコメントは本書をご参照下さい。
●テンダー・フィーリンズ/デューク・ピアソン
これもLPが似合う作品です。知的で趣味の良い感じがBGMに最適。
●スピーク・ライク・ア・チャイルド/ハービー・ハンコック
ハービーの美しいピアノを聴きたければこの作品を。ソロをとるのはハービーだけで、管楽器はアンサンブルだけという豪華さ。
コメントは四人でカーラ・ブレイ(1989年年)、ジャッキー・テラソン(1996年)、木佳野佳子(1996年)、ケニー・カークランド(1998年)という豪華なメンツ。
●ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ/ハンク・モブレー
モブレーのリーダー作品でこれが一番好きかも・・・アンドリュー・ヒル(tp)、リー・モーガン(tp)、ドナルド・バード(tp)らの参加が嬉しい。
●オン・ザ・スパー・オブ・ザ・モーメント/ホレス・パーラン
『スクー・チー』の最後、CD(LP)に合わせてみんなで叫ぼう(笑)。タレンタイン兄弟最高!
コメントは、ホレス・シルバー(1985年)、ウォルター・デイビス・ジュニア(1990年)。
●ユタ・ヒップ・ウィズ・ズート・シムズ
『緑のユタ』は、何度聴いても聴き飽きない作品。ズート・シムズ(ts)のスインギーな演奏が良い!です。
●ユニティ/ラリー・ヤング
私はリーダーよりもフロントの二人、ウディ・ショウ(tp)、ジョー・ヘンダーソン(ts)のプレイを楽しんでます。
ジャズマンがコッソリ愛する ジャズ隠れ名盤100/小川隆夫 -ブルー・ノート(Blue Note)編#3- ― 2007/12/16 21:42
『ジャズマンがコッソリ愛する ジャズ隠れ名盤100/小川隆夫(河出書房新社)』の中から、ブルー・ノートの作品を紹介したものだけを抜き出してみました。
3回目は本書でもおまけ扱いのアルバムです。なお、詳しいコメントは、本書をご参照下さい。
≪ボーナス・トラック≫
●ブラック・ファイヤ/アンドリュー・ヒル
アンドリューのブルー・ノート初リーダー作品にして最高傑作。ジョー・ヘンダーソン(ts)も凄い。
コメントはマッコイ・タイナー(1995年)。
●イントロデューシング・ザ・スリー・サウンズ
ジューク・ボックスの人気者、ザ・スリー・サウンズのブルー・ノート初リーダー作品。
『金太郎飴』と呼ばれる演奏に一度ハマッたら、次々と他のアルバムを購入することに・・・(体験談)。
コメントはオスカー・ピーターソンの後継者に指名された、ベニー・グリーン(1992年)。
ブルー・ノートでクリスマス!-メリー・オール・ソウル-デューク・ピアソン(Blue Note BST-84323) ― 2007/12/23 22:48
我が家の場合、『ジャズでクリスマス!』と言ったらこのブルー・ノート幻のクリスマス・アルバムが棚から登場します。
1969年録音のとーってもいいアルバムなんですが、なんとなくクリスマス間際にしか聴いてません。
ただ一旦聴きだすと、毎日聴いてますが・・・マニアが血眼になって探すのも納得!の出来です。
クリスマスものがあまり好みで無い方も1曲目、「Sleigh Ride」だけは聴いてみて下さい。
このデューク・ピアソン(Duke Pearson)らしい、知的でありながらファンキーな演奏は素敵です。
しっとり可憐な「Have Yourself A Merry Little Christmas」、アイアートのパーカッションが演奏に彩りを添える「Jingle Bells」もいい!
デューク・ピアソンの華麗なピアノを堪能したいのであれば、アップテンポで疾走感のある「Santa Claus Is Coming To Town」、ソロでゆったりと聴かせる「O Little Town Of Bethlehem」あたりがお勧めトラックですか。
なお手持ちの紙ジャケCDには、おまけで「Old Fashioned Christmas」が収録されておりました。
●Merry Ole Soul +1 / Duke Pearson Blue Note BST-84323
01. Sleigh Ride (L.Anderson) *1 6:23
02. Little Drummer Boy (H.Simeone-K.K.Davis-H.Onorati) *2 5:46
03. Have Yourself A Merry Little Christmas (H.Martin-R.Blane) *2 1:58
04. Jingle Bells (trad) *2 5:10
05. Santa Claus Is Coming To Town (H.Gillespie-J.Fred Coots) *2 4:05
06. Go Tell It On A Mountain (trad) *2 3:44
07. Wassail Song (trad) *2 3:00
08. Silent Night (trad) *2 4:12
09. O Little Town Of Bethlehem (trad) *3 1:12
10. Old Fashioned Christmas (trad) *1 2:27
*1
Duke Pearson (p, cel) Bob Cranshaw (b) Mickey Ro
ker (ds)
Recorded on February 25, 1969 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ.
*2
Duke Pearson (p, cel) Bob Cranshaw (b) Mickey Roker (ds) Airto Moreira (per)
Recorded on August 19, 1969 at A&R Studios, NYC.
*3
Duke Pearson (p)
Recorded on August 19, 1969 at A&R Studios, NYC.
●メリー・オール・ソウル/デューク・ピアソン
ジャズの音!!-新・ブルーノートRVGコレクション第7回発売 ― 2007/12/26 21:45
もうすぐお正月・・・ですが毎度御馴染み「RVGコレクション第7回(12月26日発売)」です。
・・・・という訳で、今月発売10枚のラインナップから始めましょう。
TOCJ-7061 コンプリート・カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1+3 / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
TOCJ-7062 コンプリート・カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.2+3 / アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
TOCJ-7063 インディード+1 / リー・モーガン
TOCJ-7064 ザ・スタイリングス・オブ・シルヴァー / ホレス・シルヴァー
TOCJ-7065 プロフィール / デューク・ピアソン
TOCJ-7066 春の如く / アイク・ケベック
TOCJ-7067 ウナ・マス+1 / ケニー・ドーハム
TOCJ-7068 ノー・ルーム・フォー・スクエアーズ+2 / ハンク・モブレー
TOCJ-7069 アイドル・モーメンツ+2 / グラント・グリーン
TOCJ-7070 デモンズ・ダンス / ジャッキー・マクリーン
今回は年末年始らしく、陽気に騒げるアルバム(BLP-1507/BLP-1508/BST-84127)や、激動の時代を体感出来るもの(BST-84345)、そして一年の出来事をしみじみ振り返るBGMに最適なもの(BST-84154/BST-84022/BST-84105)まで揃っております。
新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-コンプリート・カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1+3 ― 2007/12/27 22:44
1955年当時のニューヨークで、ミュージシャン達が『B』の付くジャズ・クラブを巡ると言えば・・・『Birdland』、『Basin Street』、そして今回の舞台『(Cafe) Bohemia』を巡る事を意味していたそうです。
そんな人気ジャズ・クラブ『カフェ・ボヘミア』で、(名義上は)メンバー全員が対等のバンド『The Jazz Messengers』唯一の公式ライブ録音されました。
・・・ただ年長者と言うことで、アナウンスはアート・ブレイキー(Art Blakey)が行っております。
そして面白い事に、アート以外のメンバーはホレス・シルバー(Horace Silver)が連れて来たとの事。
何だカンダ言っても、リーダーがA・ブレイキー、音楽監督はホレス・シルバーという、後の『Art Blakey & The Jazz Messengers』の運営形態は、このバンドから既に実施されていた訳です。
また今回は『Birdland』で1954年に行われた火の出るようなライブとは対象的に、気の合ったメンバー達の演奏を堪能出来るライブです。
そして・・・らっぱ好きとしては嬉しい事に、ケニー・ドーハム(Kenny Dorham)が何故か(笑)絶好調なんですねー。
特に自ら作曲した「MINOR'S HOLIDAY」では、リズム隊より前乗りになり、ブレイキーを煽るかのように演奏!
聴き慣れたイントロから始まる『All The Tings You Are』を下敷きにした作品、「PRINCE ALBERT」では、しっくり聴かせてくれます。
追加曲ではタッド・ダメロンの「LADY BIRD」、ダグ・ワトキンスをフューチャーした「WHAT'S NEW」は聴き逃せません。
TOCJ-7061 コンプリート・カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.1+3
●THE JAZZ MESSENGERS AT THE CAFE BOHEMIA Vol.1 Blue Note BLP-1507
01. ANNOUNCEMENT BY ART BLAKEY 1:32
02. SOFT WINDS (Fletcher Henderson) 12:34
03. THE THEME (kenny Dorham) 6:09
04. MINOR'S HOLIDAY (Kenny Dorham) 9:11
05. ALONE TOGETHER (A.Schwartz-H.Deits) 4:15
06. PRINCE ALBERT (Kenny Dorham) 8:51
07. LADY BIRD (Tadd Dameron) 7:30
08. WHAT'S NEW (B.Haggart-J.Burke) 4:31
09. DECIPHERING THE MESSAGE (Hank Mobley) 10:13
Kenny Dorham (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Doug Watkins (b) Art Blakey (ds)
Recorded on November 23, 1955 at "Cafe Bohemia", NYC.
新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-コンプリート・カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.2+3 ― 2007/12/28 23:48
はい、『(カフェ・)ボヘミア』におけるライブ後半(Vol.2)です。
私はリラックス・ムード満点の「LIKE SOMEONE IN LOVE」が収録されているので、「Vol.1」より聴く機会が多いです。
ソロのバックで、リズム隊が倍テン(2倍のリズムを刻むこと)になる演出もお洒落だし・・・。
そういえば1961年に「Five Spot」で録音された、エリック・ドルフィー(Eric Dolphy)とブッカー・リトル(Booker Little)伝説のライブでも、本ライブのフォーマットに従って「Like ~」が演奏されておりましたね。
・・・興味のある方は一度、聴き比べてみて下さい。
陽気な「SPORTIN' CLOUD」は、よく「Royal Roost」や「Tenor Madness」と言う別名で演奏されているブルース・ナンバー。
ブルースとくればホレスが俄然張り切る!とってもお茶目なソロを聴かせてくれます。
J・カーン作曲のバラッド「YESTERDAYS」は、ケニー・ドーハムのフューチャー・トラックですね。
お次のフロントがパーカッションを鳴らす「AVILA AND TEQUILA」は、ブレイキーのフューチャー・トラック。
そういえばこの演奏パターンは、ウェイン・ショーター(Wayne Shorter)が音楽監督を務める頃の「チュニジアの夜(A Night In Tunisia)」でお馴染みですか・・・。
追加曲ではアップテンポで「JUST ONE OF THOSE THINGS」、ミディアムテンポで「風と共に去りぬ(GONE WITH THE WIND)」と有名曲を披露。
もう1曲、ハンク・モブレーのオリジナル「HANK'S SYMPHONY」は、ブレイキーのフューチャー・トラックです。ほぼブレキーのソロ(笑)。
TOCJ-7062 コンプリート・カフェ・ボヘミアのジャズ・メッセンジャーズ Vol.2+3
●THE JAZZ MESSENGERS AT THE CAFE BOHEMIA Vol.2 Blue Note BLP-1508
01. ANNOUNCEMENT BY ART BLAKEY 0:37
02. SPORTIN' CLOUD (Hank Mobley) 6:53
03. LIKE SOMEONE IN LOVE (J.Van Heusen-J.Burke) 9:15
04. YESTERDAYS (J.Kern-O.Harbach) 4:18
05. AVILA AND TEQUILA (Hank Mobley) 12:46
06. I WAITED FOR YOU (D.Gillespie-G.Fuller) 9:47
07. JUST ONE OF THOSE THINGS (Cole Porter) 9:27
08. HANK'S SYMPHONY (Hank Mobley) 4:43
09. GONE WITH THE WIND (A.Wrubel-H.Magidson) 7:27
Kenny Dorham (tp) Hank Mobley (ts) Horace Silver (p) Doug Watkins (b) Art Blakey (ds)
Recorded on November 23, 1955 at "Cafe Bohemia", NYC.
新・ブルーノートRVGコレクション第7回より-インディード+1 - リー・モーガン ― 2007/12/30 20:57
ジャケットを眺めるだけで満足出来てしまうアルバム・・・それがこの『Lee Morgan Indeed!』です。
ディジー・ガレスピー楽団参加の証、斜め45度に反り返ったトランペットをカッコ良く構えるモーガン・・・似合い過ぎ(笑)。
ふてぶてしい表情をする天才少年、これでも当時18歳!・・・脱帽です。
肝心の演奏はと言うと・・・まずは、ファッツ・ナバロ(Fats Navarro)~クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)直系の豊かな音色とフレージング。
それと彼の特徴の一つ、ハーフ・バルブで音をひしゃげさせる奏法は、ディジー・ガレスピー(Dizzy Gillespie)の真似ですね。このアルバムを聴きなおして、ようやく分かりました。
つまり、3人の先輩トランペッターの「おいしい」所を全て吸収して、自分の強烈な個性として完成させたのがリー・モーガンの奏法なんだろうと思います。
演奏曲目は、作・編曲家のベニー・ゴルソン(Benny Golson)とオーウェン・E・マーシャル(Owen E. Marshall)が2曲ずつ。
そして作・編曲も得意な、ホレス・シルバー(Horace Silver)とドナルド・バード(Donald Byrd)が1曲づつという構成。
では曲はというと・・・如何にもホレスらしいエキゾチックな「ROCCUS」、ゴルソン・ハーモニー全開の「REGGIE OF CHESTER」と「STAND BY」。
優雅なバラッド仕立ての「THE LADY」、マイナー調の緊張感溢れる「GAZA STRIP」。
私の一番のお気に入りであるドナルド・バード作「LITTLE T」は今回、別テイクまで追加されてました!
目まぐるしい(面倒・・・)テーマ・フレーズを経て、若鮎のようにピチピチ跳ねるようなフレーズを聴かせてくれるモーガンはカッコイイ!の一言。
さり気なくガレスピー譲りのハーフ・バルブなど、小技を披露する当時18歳の天才少年。アルフレッド・ライオンが、いきなりリーダー作を制作したのも納得の出来です。
TOCJ-7063 インディード+1 / リー・モーガン
●LEE MORGAN INDEED! / LEE MORGAN Blue Note BLP-1538
01. ROCCUS (Horace Silver) 8:14
02. REGGIE OF CHESTER (Benny Golson) 4:51
03. THE LADY (Owen E. Marshall) 6:46
04. LITTLE T (Donald Byrd) 8:20
05. GAZA STRIP (Owen E. Marshall) 3:51
06. STAND BY (Benny Golson) 5:48
07. LITTLE T (Donald Byrd) -alternate take-
Lee Morgan (tp) Clarence Sharpe (as) Horace Silver (p) Wilbur Ware (b) Philly Joe Jones (ds)
Recorded on November 4, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, NJ.
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