エグイ「枯葉」で有名な・・・ Cookin' / Booker Ervin SAVOY MG-121542007/06/02 08:50

Cookin' - Booker Ervin

 加持です。今日は電話で朝早く叩き起こされたので、快晴の新潟を堪能しています。
 ・・・・で、こんな快晴な空に関係ないアルバムを(~~)。


 先日コメントいただいた、えりっく$Φさんの記事にあるリチャード・ウィリアムス(Richard Williams)が参加しているアルバムを取り上げてみましょうか・・・。

 小粋なトランペッター…リチャード・ウィリアムス~ニュー・ホーン・イン・タウン



 このアルバム、前回のスタンリー・タレンタインのライブを「どす黒い」と形容しましたが、それ以上(~~)。濃度で形容すると、軽く3倍濃縮位は、いってますね。

 なんてったってバックは、ホレス・パーラン(Horace Parlan)率いる「Us Three」トリオ。さらにドラムが、チャールズ・ミンガス・バンドのダニー・リッチモンド(Dannie Richmond)に交代。

 とどめの主役が、癖のあるテナーサウンドが売りのブッカー・アービン(Booker Ervin)ときたもんだ。

 ・・・なんかメンバー書いただけでも、ブルース&ファンキー臭さで悶絶しそうな面子。「くさやの干物」並みの旨みと破壊力があります。


 そんな(とんでもない)メンバーに囲まれたお蔭(?)で、リチャード・ウィリアムス(tp)さん、大健闘しております。
 このタイプのトランペッターは、癖のあるメンバーに囲まれると、逆に張り切って(?)いい演奏を残す様です。

 例えば、「Outward Bound / Eric Dolphy (New Jazz NJLP 8236)」に参加して好演を残した、フレディ・ハバード(Freddie Hubbard)。
 あるいは知性と破壊性を併せ持つ、ドナルド・バード(tp)&ペッパー・アダムス(bs)のファンキー・チームとか・・・。

 有名どころでは、マイルス・デイビス(tp)&ジョン・コルトレーン(ts)のコンビもそうですね(フロント陣のコントラストが結構強い!)。



 ブッカー・アービン自作の4曲は、テンポは違えど「ブルース&(ド)ファンキーで全て説明され尽くされる気がします。ジャズ版のくさやの干物(笑)。噛めば噛むほど旨みが増します。
 中でも5曲目、スロー・(ド)ブルースの「Well, Well」で、ホレス・パーラン(p)お得意のワン・フレーズ(?)攻撃が堪能出来ます。
 コードが替わっても呪文のように、延々と同じフレーズを繰り返すパーラン・・・そこから抜け出した時の開放感!を知ってしまうと最後・・・あなたもパーランの虜に(~~)。


 あと面白いのがスタンダードの2曲、バラッド仕立ての「恋とはなんでしょう(You Don't Know What Love Is)」と、(ド)ファンキー風に味付けされたシャンソン・ナンバーの「枯葉(Autumn Leaves)」でしょう。

 「恋とはなんでしょう(You Don't Know What Love Is)」は、無理やり形容すると「漢(おとこ)泣き」みたいな演奏ですね(なんのこっちゃ)。

 江口寿史のギャグ漫画に出てくる(古い形容でスイマセン)ふんどし一丁の角刈りのごついオニーサンが、雨降り注ぐ崖淵で涙を流しながらテナーを演奏するみたいな・・・・具体的に想像すると・・・あ・ぶ・な・いな、やめよう(笑)。


 最後の「枯葉(Autumn Leaves)」、ダニー・リッチモンドのたたき出すシャッフル気味のリズムに乗り、ミュートを付けたリチャード・ウィリアムス(tp)が好演を繰り広げます。
 ミュートでそこまで吹かなくとも・・・と思うくらい、畳み掛けるように音符を並べてきます。ホント、「Outward Bound 」のフレディみたい。


 話は飛びますが、ファンキーなキャノンボール&ナットのアダレイ兄弟が演奏する「枯葉」、聴いたこと無いんですが、彼らは「マイルス・バージョン」で演奏しているのでしょうか・・・。

 学生の頃、ナット・アダレイ(Nat Adderley)のクインテットを、「新潟県民会館」脇の特設会場で聴いたことがあるんですが、モロに「マイルス・バージョン」でやってましたよ。懐かしい・・・あ、そういえば私も大学の時、演奏した(されられた)なー。テーマをコピーした譜面、何処いったかなあ?


●Cookin' / Booker Ervin SAVOY MG-12154

01. Dee Da Doo (B.Ervin) 7:30
02. Mr. Wiggles (B.Ervin) 5:17
03. You Don't Know What Love Is (D.Raye-G.DePaul) 7:22

04. Down In the Dumps (B.Ervin) 6:11
05. Well, Well (B.Ervin) 9:50
06. Autumn Leaves (Prevert-Kosma) 7:00

Richard Williams (tp) Booker Ervin (ts) Horace Parlan (p) George Tucker (b) Dannie Richmond (ds)
Recorded on November 26,1960 in NYC


●おまけ●
 このアルバム、マイルス・デイビスのマラソン録音盤「Cookin'」とは関係ありません、多分。
 あとジャズ喫茶では、ユニークな「枯葉」目当てにリクエストがあったとか、なかったとか・・・。
 ディスクユニオンで処分してしまったLPの「帯」に、「ジャズ喫茶で流れていた”枯葉”はコレだ!」なんて書かれていた記憶が・・・・。





1987年のCD再発について-Blue Note CD Treasury[第1期]2007/06/04 11:01

またまた猫です。

加持です。本日は暑くて脳味噌がとろけそうな一日でした。


・・・東芝EMIの携帯サイトをぼーっと眺めていたら、RVGシリーズが再開されるとのこと。

詳細は、PC用サイトhttp://www.toshiba-emi.co.jp/jazz/rvg/
に掲載されているようで、CD屋さんにはカタログは並んでませんでした・・・。

「新・ブルーノートRVGコレクション:最高のジャズ・レーベルの名盤を100タイトル発売!」
★2007年6月より毎月10枚ずつ発売!
★各1,700円(税込)
  • 第1回:2007年6月20日
  • 第2回:2007年7月25日
  • 第3回:2007年8月22日
  • 第4回:2007年9月26日
  • 第5回:2007年10月24日
  • 第6回:2007年11月21日
  • 第7回:2007年12月26日
  • 第8回:2008年1月23日
  • 第9回:2008年2月20日
  • 第10回:2008年3月26日

 ・・・ざーっとリストを眺める限り、第4回あたりからおもしろいアルバムが(追加曲入りで)登場するようです。

 今回掲載する東芝EMIでのCD化第2弾のリストにある追加曲入りアルバムが20年後、ようやくRVGリマスターで聴くことが出来ます、よかった。
 しかし、「早くRVGリマスターで再発して!」と書く前に、CD化してもらえるのは嬉しいことですね。行方さん、ありがとう。


 ・・・では本題。

 丁度20年前の1987年、日本の東芝EMIは第2回マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル開催に合わせブルーノート名盤のCD化第2弾を発売しました。

 現在、そのCD番号などのデータを掲載するサイトが見当たりませんので、前回に引き続き一覧を公開します。
 オリジナル盤(LP)と比較すると、追加曲入り!や、曲順が異なる!ものが多数あります。


●Blue Note CD Treasury 第1期(Toshiba EMI)

□50タイトル発売リスト [1987/07 - 1987/11]
★記載方法(CD番号、タイトル、アーティスト名、オリジナル番号の順に記載)

●第1回発売 [1987/07/22]
  • CP32-9501 Complete 'Round About Midnight At The Cafe Bohemia Volume 1 / Kenny Dorham [BLP 1524]
  • CP32-9502 Complete 'Round About Midnight At The Cafe Bohemia Volume 2 / Kenny Dorham [BLP 1524]
  • CP32-9503 The Magnificent Thad Jones + 2 / Thad Jones [BLP 1527]
  • CP32-9504 Introducing Johnny Griffin + 2 [BLP 1533]
  • CP32-9505 Afro Cuban + 2 / Kenny Dorham [BLP 1535]
  • CP32-9506 Hank Mobley Quintet + 2 [BLP 1550]
  • CP32-9508 Sonny Rollins Volume 2 [BLP 1558]
  • CP32-9509 Sonny's Crib + 3 / Sonny Clark [BST 81576]
  • CP32-9510 The Time Waits + 1 / The Amazing Bud Powell Volume 4 [BST 81598]

●第2回発売 [1987/08/26]
  • CP32-9507 Lee Morgan Volume 3 [BST 81557]
  • CP32-9511 House Party / The Complete Jimmy Smith's Super Jam Volume 1 [BST 84002]
  • CP32-9512 The Sermon / The Complete Jimmy Smith's Super Jam Volume 2 [BST 84011]
  • CP32-9513 Kenny Burrell At The Five Spot Cafe + 3 [BST 84021]
  • CP32-9514 The Big Beat + 1 / Art Blakey & The Jazz Messengers [BST 84029]
  • CP32-9515 Tender Feelin's / Duke Pearson [BST 84035]
  • CP32-9516 Us Three / Horace Parlan [BST 84037]
  • CP32-9517 Look Out + 3 / Stanley Turrentine [BST 84039]
  • CP32-9518 Moods / The Three Sounds [BST 84044]
  • CP32-9519 Flight To Jordan + 2 / Duke Jordan [BST 84046]
  • CP32-9520 Roll Call + 1 / Hank Mobley [BST 84058]

●第3回発売 [1987/09/25]
  • CP32-9521 Undercurrent / Kenny Drew [BST 84059]
  • CP32-9522 Workout + 1 / Hank Mobley [BST 84080]
  • CP32-9523 Dexter Calling + 1 / Dexter Gordon [BST 84083]
  • CP32-9524 Leapin' & Lopin' + 2 / Sonny Clark [BST 84091]
  • CP32-9525 Back At The Chicken Shack + 1 / Jimmy Smith [BST 84117]
  • CP32-9526 My Point Of View / herbie Hancock [BST 84126]
  • CP32-9527 Feelin' The Sprit +1 / Grant Green [BST 84132]
  • CP32-9528 A Swingin' Affair / Dexter Gordon [BST 84133]
  • CP32-9529 One Step Beyond + 1 / Jackie McLean [BST 84137]
  • CP32-9530 Black Fire + 2 / Andrew Hill [BST 84151]

●第4回発売 [1987/10/26]
  • CP32-9531 Free For All / Art Blakey & The Jazz Messengers [BST 84170]
  • CP32-9532 Night Dreamer + 1 / Wayne Shorter [BST 84173]
  • CP32-9533 Emyrean Isles + 2 / Herbie Hsncock [BST 84175]
  • CP32-9534 Life Time / Tony Williams [BST 84180]
  • CP32-9535 Blue Spirits + 2 / Freddie Hubbard [BST 84196]
  • CP32-9536 Dialogue + 1 / Bobby Htcherson [BST 84198]
  • CP32-9537 Gettin' Around + 2 / Dexter Gordon [BST 84204]
  • CP32-9538 Unity / Larry Young [BST 84221]
  • CP32-9539 Ornette Coleman At The "Golden Circle" Stockholm Volume 1 [BST 84224]
  • CP32-9540 Ornette Coleman At The "Golden Circle" Stockholm Volume 2 [BST 84225]

●第5回発売 [1987/11/25]
  • CP32-9541 Adam's Apple + 1 / Wayne Shorter [BST 84232]
  • CP32-9542 Unit Structures + 1 / Cecil Taylor [BST 84237]
  • CP32-9543 Delightfulee + 4 / Lee Morgan [BST 84243]
  • CP32-9544 Alligator Boogaloo / Lou Donaldson [BST 84263]
  • CP32-9545 Tender Moments / McCoy Tyner [BST 84275]
  • CP32-9546 Puttin' It Together / Elvin Jones [BST 84282]
  • CP32-9547 Time For Tyner / McCoy Tyner [BST 84307]
  • CP32-9548 Demon's Dance / Jackie McLean [BST 84345]
  • CP32-9549 The Song Of Singing + 2 / Chick Corea [BST 84353]
  • CP32-9550 Odyssy Of Iska / Wayne Shorter [BST 84363]


★この年のマウント・フジも、ラジオで聴く限り素晴らしい演奏が目白押しでした。
 次の1988年は私のマウント・フジ初観戦、姉妹レーベル「somethin'else」の始動・・・と。
 新RVGシリーズは、100枚と多いのでピックアップして発売後に順次コメントしていこうと思います。これで当分、ネタに困らない・・・・。





ビートルズ・ジャズ最初期の傑作!-Delightfulee - Lee Morgan Blue Note BLP 42432007/06/06 22:42

Delightfulee - Lee Morgan  Blue Note BLP 4243

 加持です。今日は夜半から酷い雷雨。
 新潟も地球温暖化で亜熱帯に移行しつつあるようです。


 今月から始まる「新・ブルーノートRVGコレクション」の中でも、待ち望んだ1枚を・・・今回はようやく、20年前にプレスされた手持ちの米盤に収録されていた4曲を追加していただけるようなので、とても嬉しいです。


 「Delightfulee (BN4243)」の一番の話題は、オリバー・ネルソン(Oliver Nelson)アレンジによるビートルズの名曲「Yesterday」のカバーでしょう。

 原曲のイメージを損なわないテンポ、重厚なバック・アンサンブルをバックに奔放に吹き綴るモーガンは、素敵です。そしてアレンジを担当するO.ネルソン、流石です。


 その他の曲は・・・・。

 ひたすら陽気な1曲目「Ca-Lee-So」は、名前から想像出来る様に、カリプソ・ナンバー。この曲、ずーっと聴いていると、灼熱の太陽を浴びたようにコンガリと日焼けしそうです(笑)。

 続くハードボイルドな「Zambia」は、リー・モーガンがジャズ・メッセンジャーズ時代に作曲した「Kozo's Waltz」をリメイクしたものです。
 後テーマ直前に繰り広げられるドラムスとの8小節交換で、得意のハイトーンを連発するモーガン・・・・惚れボレしてしまいます。


 マーチ仕立ての「Sunrise, Sunset」は、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」の中の1曲だそうです。こんなカッコいい曲の原曲がミュージカルだとは・・・・ビックバンド出身の私好み、素敵なアレンジです。


 一転してマイナー調の「Nite-Flite」です。

 この手のエキゾチック調ナンバーには、ジョー・ヘンダーソン(ts)の辛口テナー・サウンドがぴったりですねー。 ここでのジョーさん、アラビア風音階からフラジオ・トーンまで使って激しいソロを展開しています。
 あと、ピアノ・ソロのバックで「セカンド・リフ」が挿入されるあたり、何だかホレス・シルバー・クインテットみたい・・・・。

 ラストは3拍子のバラッド、「The Delightful Deggie」です。ここではモーガンと同郷の、マッコイ・タイナー(p)の美しいピアノが一番、印象強いです。


Delightfulee / Lee Morgan Blue Note BLP 4243

01. Ca-Lee-So (Lee Morgan) *2
02. Zambia (Lee Morgan) *2
03. Yesterday (Lennon/McCartney) *1

04. Sunrise, Sunset (Bock/Hamick) *1
05. Nite-Flite (Lee Morgan) *2
06. The Delightful Deggie (Lee Morgan) *2

*1
Lee Morgan(tp) Ernie Royal (tp) Tom McIntosh (tb) Jim Buffington (frh) Don Butterfield (tu)
Phil Woods (as, fl) Wayne Shorter (ts) Danny Bank (bars, bcl, fl)
McCoy Tyner (p) Bob Cranshaw (b) Philly Joe Jones (ds) Oliver Nelson (arr)
Recorded on April 8, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, NJ

*2
Lee Morgan (tp) Joe Henderson (ts) McCoy Tyner (p) Bob Cranshaw (b) Philly Joe Jones (ds)
Recorded on May 27, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, NJ



●おまけ●
 手持ちの1987年の米盤CDには、以下の4曲を収録。このCDはセッション別に分けられ、曲順がオリジナル・アルバムと大きく異なっていましたね。
 後に録音されたクインテット・セッションを優先的に収録したということは、オーナーのアルフレッド・ライオンは、クインテット・バージョンのテイクの方が好みだったのでしょう。
 経費が何倍もかかったであろう、重厚なビックバンド(正確にはテンテット)・バージョンをお蔵にするとは・・・・雇われ会社員なら、絶対出来ない決断ですよ。


-1987 issued CD Bonus Tracks-

00. Need I ? (Lee Morgan) *2
00. Filet Of Soul (Lee Morgan) *2
00. Zambia (Lee Morgan) -Big Band Version- *2
00. The Delightful Deggie (Lee Morgan) -Big Band Version- *2





バルネIDA3部作の2枚目です-French Ballads / Barney Wilen IDA Records IDA-0142007/06/07 23:41

French Ballad - Barney Wilen

 加持です。今日の1枚は、小川隆夫さんのブログにコメントしていて聴きたくなったアルバムを。


 昔、ミッシェル・ルグラン作曲のバラッド「これからの人生(What Are You Doing The Rest Of Your Life)」という曲に嵌まり、収録されたアルバムを買いまくった時期がありまして・・・例に挙げるとビル・エバンス(p)を数枚、その他には五十嵐一生(tp)、原朋直(tp)・・・・・そのきっかけを作ったのがこのアルバムです。


 大好きなバルネ・ウィラン(Barney Wilen)のIDA3部作で2枚目になるこの作品、私はまだLPしか持っておらず、今記事を書きながら聴いているのは板(LP)おこしのCD-Rです。

 学生時代、ディスク・ユニオンのバーゲンコーナーで購入した手持ちの輸入LPですが、音抜けが良く低音もしっかり入っているので、音の補正なしでCD-Rに焼いても十分聴けるのでありがたいです・・・まあ、本題とは関係ないですが。


 「詩人の魂(L'Ame Des Poetes)」から始まるこのアルバム、最初にお話したバラッドの「これからの人生」に続き、3曲目の「パリの空の下(Sous Le Ciel De Paris)」でクライマックスを迎えます。


 まずラテン風ドラムスとウォーキング・ベースに導かれてテーマに突入するバルネの味わいのあるテナーがいいですね。
 バルネのソロに続くピアノ・ソロも申し分なし・・・しかしこのドラム、所々でロイ・へインズ(Roy Haynes)みたいな叩き方してますよ。

 ・・・・3曲目は、現在のデジタル録音機材とバルネ達のカルテットによる演奏が見事に噛み合った、名演です。特にデジタル録音と相性の良い?、シンバルとパーカッションの音の抜けが気持ちいいですよ。


 その他の超有名曲「My Way」と「枯葉(Les Feuilles Mortes)」は、無難な演奏なので・・・・コメントなし。


●French Ballads / Barney Wilen IDA Records IDA-014

side one
01. L'Ame Des Poetes (Ch.Trenet) 4:37
02. What Are You Doing The Rest Of Your Life (M.Legrand) 3:02
03. Sous Le Ciel De Paris (H.Giraud-J.Drejac) 4:24
04. Syracuse (H.Salvador-B.Dimey) 3:44
05. Un Ete 42 (M.Legrand) 4:07
side two
06. My Way (J.Revaux) 4:06
07. Les Feuilles Mortes (J.Prevert-V.Kosma) 7:10
08. Once Upon A Time (M.Legrand) 4:09
09. Seule Ce Soir (P.Durand-R.Noel-J.Casanova) 4:38

Barney Wilen (ts, ss) Michel Graillier (p) Ricardo Del Fra (b) Sangoma Everett (ds)
Recoded on June 24, 25 and 26, 1987 at Gimmick Studio (Yerres-France)





Alfa盤のバルネならこれ!-Paris Moods - Barney Wilen Alfa ALCR-732007/06/09 23:48

Paris Moods - Barney Wilen Quartet

 加持です。この暑さで、自宅は虫(ハエ)さんが大量発生して凄いことになっています。しばらくすると、別の虫(蚊)が来るんだろうなー。あーいやだ。


 「IDAレコード」の次は「Alfaレコード」のバルネ、パリのお洒落な雰囲気漂う「Paris Moods」です。

 ちなみにカバー・ペインティングは、画家でシンガーのマリー・ムーア(Marie Moor)さんですね。彼女(美人)は、バルネと共にヴィーナス盤のジャケットに度々登場しているので、ご存知の方も多いでしょう。

 そして、ピアノはなんと・・・ジャッキー・テラソン(Jacky Terrasson)!私に取っては、本当に嬉しい取り合わせです。


 バルネ(ts)&ジャッキー(p)のコンビネーションを存分に楽しめるトラックはやはり、8曲目の「Mon Blouson」でしょうね。
 お得意のラテン調リズム・パターンに乗り、鍵盤を縦横無尽に弾きまくるジャッキー・テラソン(p)に負けじとロリンズ張りの豪快なフレーズを連発するバルネ・ウィラン(ts)!
 ほんと、演奏が終わった後の爽快感が堪らないですー。

 あとバルネがソプラノ・サックスに持ち換えた、バラッドの「残されし恋には(Que Rest-t-il De Nos Amours)」はジャッキー・テラソン(p)のフューチャートラックで、後に録音されるソロ・アルバム同様、彼の個性溢れるピアノ・ソロを堪能出来ます。

 またソウルフルな「褐色のブルース(Blue de Memphis)」でジャッキーは、ブロック・コードをガンガン弾いてバルネを盛り立てています。
 あ、うっかりしてジャッキー・テラソン(p)中心で書いてしまった・・・・(~~)。



 最後にバルネの演奏を中心に聴きたい方は、1曲目のテナーで演奏する「Latin Alley」と、ソプラノに持ち替えた2曲目「April in Paris」をお勧めしておきます。

 まあ歳を取ったら、こういう(美人が寄って来るような)カッコいい大人になりたいものですね。ちょい悪オヤジとかじゃなくてね・・・。


●Paris Moods / Barney Wilen Alfa ALCR-73 [1990/12/21]

01. Latin Alley (Alan Jean Marie)
02. April in Paris (V.Duke)
03. I'm A Fool To Want You (S.Herron/F.Sinatra/J.Wolf)
04. Que Rest-t-il De Nos Amours (C.Trenet/L.Chauliac)
05. Beautiful Love (V.Young)
06. Blue de Memphis (A.Goraguer)
07. My Funny Valentine (R.Rodgers/L.Hart)
08. Mon Blouson ~ C'est Ma Maison (M.Moor/B.Wilen)
09. You Must Believe In Spring (M.Legrand)
10. Grisbi (J.Wiener)
11. Les Petites Femmes de Paris (G.Delerue)
12. Ask Me Now (T.Monk)

Barney Wilen (ts, ss) Jacky Terrasson (p) Gilles Naturel (b) Peter Gritz (ds)
Recorded on July 10, 11 & 12, 1990 at Acousti Studio in Paris





ヴィーナス盤のバルネ、愛聴してます-Inside Nitty=Gritty - Baney Wilen VENUS RECORDS2007/06/11 23:20

Inside Nitty=Gritty - Baney Wilen

 加持です。ついついバルネ・ウィラン(ts, ss, bs)のアルバムで続けてます。


 「Alfaレコード」の次は珍しいオルガン入りの「Inside Nitty=Gritty」です。あ、ジャケットは再発盤のものですね。
 なおこのアルバムには4曲の別テイクが存在しますが、そちらは1996年12月に発売された追悼盤「Trilogy(TKCV-35019)」で聴くことが出来ます。
 そういえば「Venus レコード」、高音質にした再発時もオリジナルアルバム未収録の別テイクは入れないですねー。


 1曲目、ソニー・ロリンズとクリフォード・ブラウンの競演盤でお馴染みの「Valse Hot」、青空にぽっかり浮かぶ白い雲のように、おおらかで心地良いですね。
 あとメンバーが少ない分(トリオ!)、ドラムスが結構頑張ってますねー。”おかず”の入れ方は、ロイ・へインズみたい。

 そのあとオルガンをバックに心地よい演奏が続きますが、最後はパリで競演しているバド・パウエル(p)の作品「Parisian Thoroughfare」で締めくくります。このあたり、バルネらしいですね。


 曲目を見ると、マイルスの演奏でお馴染みの「Dig」やデューク・エリントンの「Caravan」など、普段取り上げそうの無い曲が並んでますが、こではオルガンとの演奏の為に選んだ曲でしょうね。
 それともヴィーナス・レコードのプロデュサー、原哲夫さんの趣味でしょうか?いずれにせよ、これからも末永く聴いていこうと思ってます。



●Inside Nitty=Gritty / Barney Wilen VENUS RECORDS TKCV-79021

01. Valse Hot (Sonny Rollins) 6:14
02. Dig (Miles Davis) 4:40
03. Caravan (J.Tizol/D.Ellington) 5:19
04. Granadas (E.Granados) 3:48
05. My Ideal (R.A.Whinting/N.Chase) 5:46
06. Ah Si Vous Connaissiez Ma Poule (Borel/Clerc/Willemetz) 5:11
07. Blue Lou (E.Sampson) 4:22
08. The Trolley Song (H.Martin/R.Blane) 4:35
09. Parlez-Moi D’Amour (J.Lenoir) 3:23
10. Parisian Thoroughfare (Bud Powell) 4:11

Barney Wilen (ts,ss) Emmanuel Bex (org) Peter Gritz (ds)
Recorded on October 5-7,1993, in Paris





バルネのライブならこれ!-Dream Time - Barney Wilen & Alain Jean-Marie [DEUX Z ZZ 84108]2007/06/13 22:41

Dream Time - Barney Wilen & Alain Jean-Marie  

 加持です。いやしかし梅雨入り前なのに暑いですねー。


 今日は、バルネ・ウィランの1991年スイスでのライブアルバム「Dream Time」です。手持ちのCDはゴールドCDらしく、普通のCDより音が良いです。

 あと、いつもおおらかなスタジオ録音とは違い、観客を前にしたバルネがとても演奏に集中しているように思えます。ピリピリした緊張感が、CDからも伝わって来るようです。


 しょっぱな「My Funny Valentine」のコード進行を下敷きにした「Things of the Fugue」から、緊張感漂うテンションの高い演奏が繰り広げられます。

 2曲目のバラッド「Latin Alley」もバルネはソプラノ・サックスを使用していますが、テナーで演奏した「Paris Mood (Alfa)」に収録されたスタジオ・バージョンより数段良い出来だと思います。

 ちなみに演奏の合間、お客さんの拍手が演奏後しばらくしてから鳴り出すので、お客さんも演奏に聴き惚れていることが伺えます。


 ・・・・最後の「Goodbye」まで緊張感は持続する、素晴らしいライブです。バルネのファンなら「一家に1枚」どうぞ!

 つい最近、このライブ盤がタイトルとカバーを変えて発売されたようですが、今日は調べきれなかったので、後ほど機会があれば補足します。

●Dream Time / Barney Wilen - Alain Jean-Marie  DEUX Z ZZ 84108 [1992(France)]

01. Things of the Fugue (Barney Wilen / Alain Jean-Marie) 7:51
02. Latin Alley (Alain Jean-Marie) 8:08
03. 'Round Midnight (thelonious Monk) 8:01
04. Repetition (Neal Hefti) 2:41
05. No Problem (Duke Jordan) 9:36
05. I'm A Fool to Want You (J.Wolf/Herron) 6:06
07. Afternoon in Paris (John Lewis) 7:50
08. Goodbye (Gordon Jenkins) 6:39

Barney Wilen (ts, ss) Alain Jean-Marie (p)
Live recording at the Festival de Cully (Suisse)
by the Radio Suisse Romande, March 23th, 1991

Produced by Deux Z, Catherine Peillon

Cover painting:"Broken hearts", by Marie Moor





1988年もCD再発は続く-Blue Note CD Treasury[第2期]2007/06/16 06:30


加持です。昨日は雨。今日は梅雨の合間のお天気・・・。



「新・ブルーノートRVGコレクション:最高のジャズ・レーベルの名盤を100タイトル発売!」
★2007年6月20日より毎月10枚ずつ発売! ★各1,700円(税込)

詳細は、PC用サイトhttp://www.toshiba-emi.co.jp/jazz/rvg/

ブルーノート・マニアの皆さん、棚のチェック&(心の)準備はよろしいでしょうか?
限定盤では無いと言えど、人気盤以外は売り切れたら再プレスするまで時間がかかるでしょうから・・・見たらすぐ購入(笑)。

それ以外の方は、(日本)既存発売のものとはジャケットが違ったり、おまけ曲がついたりしてますんので、中身を十分吟味してから購入しましょうね。


・・・別に、東芝EMIさんからギャラもらってませんから。逆にお布施払っていますので(加持は、発足時からのブルーノート・クラブの会員だったりする)。



 ・・・では本題。

 1988年、第3回マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル開催(私も見てきました!)に合わせブルーノート名盤のCD化第3弾を発売しました。
 同時にブルーノートの姉妹レーベル「somethin'else」も開始と大忙し。

 現在、そのCD番号などのデータを掲載するサイトが見当たりませんので、前回に引き続き一覧を公開します。  オリジナル盤(LP)と比較すると、追加曲入り!や、曲順が異なる!ものが多数あります。


●Blue Note CD Treasury 第2期(Toshiba EMI)

□50タイトル発売リスト [1988/04 - 1989/01]
★記載方法(CD番号、タイトル、アーティスト名、オリジナル番号の順に記載)

●第1回発売 [1988/04/24]
  • CJ28-5051 Somethin' Else + 1 / Cannonball Adderley [BST 81595]
  • CJ28-5052 Moanin' + 1 / Art Blakey & The Jazz Messengers [BST 84003]
  • CJ28-5053 The Scene Changes + 1 / The Amazing Bud Powell Volume 5 [BST 84009]
  • CJ28-5054 Our Man In Paris + 2 / Dexter Gordon [BST 84146]
  • CJ28-5055 Maiden Voyage / Herbie Hancock [BST 84195]

●第2回発売 [1988/05/25]
  • CJ28-5056 Miles Davis on Blue Note + 1 / Mlis Davis [BLP 1501/02]
  • CJ28-5057 Sonny Rollins Volume 1 [BLP 1542]
  • CJ28-5058 Bud ! + 1 / The Amazing Bud Powell Volume 3 [BST 81571]
  • CJ28-5059 Cool Struttin' + 2 / Sonny Clark [BLP 81588]
  • CJ28-5060 Finger Poppin' / Horace Silver [BST 84008]

●第3回発売 [1988/06/25]
  • CJ28-5061 Sonny Clark Trio + 3 / Sonny Clark [BST 81579]
  • CJ28-5062 Hub Cap + 1 / Freddie Hubbard [BST 84073]
  • CJ28-5063 Doin' The Thing + 2 / Horace Silver [BST 84076]
  • CJ28-5064 The Sidewinder + 1 / Lee Morgan [BST 84157]
  • CJ28-5065 Dippin' / Hank Mobley [BST 84209]

●第4回発売 [1988/07/24]
  • CJ28-5066 6 Pieces Of Silver + 3 / Horace Silver [BLP 1539]
  • CJ28-5067 A Blowing Session / Johnny Griffin [BLP 1559]
  • CJ28-5068 Movin' & Groovin' / Horace Parlan [BST 84028]
  • CJ28-5069 A Night In Tunisia + 2 / Art Blakey & The Jazz Messengers [BST 84049]
  • CJ28-5070 Doin' Allright + 2 / Dexter Gordon [BST 84077]

●第5回発売 [1988/08/27]
  • CJ28-5071 New Soil + 1 / Jackie McLean [BST 84013]
  • CJ28-5072 Byrd In Hand / Donald Byrd [BST 84019]
  • CJ28-5073 Page One / Joe Henderson [BST 84140]
  • CJ28-5074 Speak No Evil / Wayne Shorter [BST 84194]
  • CJ28-5075 Like Someone In Love + 1 / Art Blakey & The Jazz Messengers [BST 84245]

●第6回発売 [1988/09/23]
  • CJ28-5076 Blue Train / John Coltrane [BST 81577]
  • CJ28-5077 Bottoms Up ! / The Three Souns [BST 84014]
  • CJ28-5078 Midnight Special / Jimmy Snith [BST 84078]
  • CJ28-5079 Takin' Off + 3 / Herbie Hancock [BST 84109]
  • CJ28-5080 Indestructible + 1 / Art Blakey & The Jazz Messengers [BST 84193]

●第7回発売 [1988/10/26]
  • CJ28-5081 Peckin' Time + 2 / Hank Mobley [BST 81574]
  • CJ28-5082 Candy + 1 / Lee Morgan [BST 81590]
  • CJ28-5083 A.T.'s Delight / Art Taylor [BST 84047]
  • CJ28-5084 Point Of Departure + 2 / Andrew Hill [BST 84167]
  • CJ28-5085 Speak Like A Child / Herbie Hancock [BST 84279]


●第8回発売 [1988/11/26]
  • CJ28-5086 Complete Village Vanguard Volume 1 / Sonny Rollins [BLP 1581]
  • CJ28-5087 Complete Village Vanguard Volume 2 / Sonny Rollins [BLP 1581]
  • CJ28-5088 Open Sesame + 2 / Freddie Hubbard [BST 84040]
  • CJ28-5089 Inventions and Dimensions / Herbie Hancock [BST 84147]
  • CJ28-5090 Idle Moments + 2 / Grant Green [BST 84154]


●第9回発売 [1988/12/21]
  • CJ28-5091 Bass On Top + 1 / Paul Chambers [BST 1569]
  • CJ28-5092 Profile / Duke Pearson [BST 84022]
  • CJ28-5093 Mosaic / Art Blakey & The Jazz Messengers [BST 84090]
  • CJ28-5094 Evolution / Grachan Moncur III [BST 84153]
  • CJ28-5095 Joyride + 2 / Stanley Turrentine [BST 84201]


●第10回発売 [1989/01/25]
  • CJ28-5096 Quartet, Quintet, Sextet + 5 / Lou Donaldson [BLP 1537]
  • CJ28-5097 Soul Station / Hank Mobley [BST 84031]
  • CJ28-5098 Jackie's Bag + 3 / Jackie McLean [BST 84051]
  • CJ28-5099 Midnight Blue + 2 / Kenny Burrell [BST 84123]
  • CJ28-5100 Out To Lunch / Eric Dolphy [BST 84163]


★この年のマウント・フジの感想、「somothin'else」レーベルの話は日を改めてお話します。




「Blue Note」の姉妹レーベル誕生!-Superblue somethin'else 55012007/06/17 21:55

Superblue  somethin'else 5501

 加持です。梅雨なのになんだか晴れの日が続きそうですね・・・・。


 今回からしばらく、廃盤になって久しい初期「somethin'else」について書いて行こうと思います。まずはレーベル名について。


 1988年、東芝EMI(行方均さん)は、『第3回マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル』開催に合せ、ブルーノートの姉妹レーベル「somethin'else」を立ち上げます。
 レーベル名はブルーノートのベストセラー・アルバム、「Somethin' Else / Cannonball Adderley(BST 81595)」から拝借したそうです。

 また「somethin'else」レコードの一部ですが、アメリカでは「Blue Note」レコードから発売されたようです。
 日本制作盤が「Blue Note」から発売されるとは・・・今から考えると凄い事ですよね。


 なお「somethin'else」レコード(CD)番号は、「5501番」から始まりますが、その記念すべきアルバムがこの「Superblue」です。
 とにかくトランペットが好きな方、またはジャズの編曲に興味のある人は、一度聴いてみて下さい。現在入手は困難ですが・・・・。


 「Superblue」は、編曲を任されたドン・シックラー(Don Sickler)ボビー・ワトソン(Bobby Watson)が中心となる企画色の強い大型コンボです。
 また選曲はブルーノートのファンにはお馴染みであろう、ティナ・ブルックス(Tina Brooks)の「Open Sesame」を筆頭に「ブルーノート・レコード」縁の曲で固められています。

 つまり「ブルーノート」名曲の数々を、最新の編曲で楽しめるという訳です。あ、ドンとボビーの2人はこの年の「マウント・フジ」のラストを飾るビック・バンドの編曲も担当していましたね。


 もうひとつの売りは、当時高校在学中だった期待の新人、ロイ・ハーグローブ(Roy Hargrove)の参加です。
 彼は「Summertime」、「Marvelous Marvin」、「I Remember Clifford」、「M & M」の4曲で、高校生らしからぬ落ち着いたソロを取ります。

 まあ学生であれだけ堂々とした演奏が出来れば大したものです。私の高校の頃なんて、舞台で舞い上がってしまい、まともに吹けませんでしたから・・・(==)。

 中でも、ちょっと変った(カッコいい)編曲の「Summertime」がお気に入りです。最後にドラムとの8小節交換が聴けるアップテンポの「M & M」もいいですね。


●Superblue somethin'else 5501 [CJ32-5501]

01. Open Sesame (Tina Brooks) 7:37
02. Summertime (G.Gershwin / D.Heyward) 6:55
03. Marvelous Marvin (Marty Sheller) 5:05
04. Time Off (Curtis Fuller) 4:23
05. I Remember Clifford (Benny Golson) 5:40
06. Conversation (Robert Watson) 6:55
07. Once Forgotten (Pamela Watson) 5:45
08. M & M (Hank Mobley) 4:19

Don Sickler (tp,arr) Roy Hargrove (tp,flh) Frank Lacy (tb) Bobby Watson (as) Billy Pierce (ts)
Mulgrew Miller (p) Robert Laslie Hurst (b) Kenny Washington (ds)
except "Conservation", arranged by Robert Watson

Recorded on April 26, 1988 at Rudy Van Gelder Studio, NJ





見えた!N.Y.90年代-V / Ralph Peterson Quintet somethin'else 55022007/06/19 06:50

V - Ralph Peterson somthinelse 5501

 加持です。「何じゃこのタイトル?」と思った方、これ、CDのあおりをそのまま拝借しました。今になっては意味があいまい(笑)な気がしますが、まあいいでしょう。軽く流して行きましょう。


 「V(CJ32-5502)」はOTBのドラマー、ラルフ・ピーターソン(Ralph Peterson)が同グループを脱退した直後に録音されたものです。

 ラルフのリーダー作品はだいたい購入しておりますが残念ながら、この「リーダー・デビュー盤」を超える作品は無いと思います(断言)。

 まあ曲、メンバー、演奏、もちろんプロデュースを含め、とてもバランスの良い作品ではないかと考える次第でして・・・ただ一つある難点は、好き過ぎて冷静にアルバム紹介が出来ないことです(~~)。


 この作品、発売当時は売り上げもよかったようで、1988年のジャズ誌(SJ)チャートでは10月にトップ、11月には10位を記録していますね。
 ただし「ジャズのCD」なのでチャート・トップとはいえ売上枚数は、1万~2万枚だと類推しますが・・・・。


 ざっと曲を眺めると・・・・。

 前半の3曲はドラマーのリーダー作らしく勢いのあるナンバーばかり、オープニングで変幻自在にテンポが変わる「Enemy Within」、ラルフのアフリカン・ネームを付けた「Monief」、テーマ部にストップ・タイムを効果的に用いた「The Short End Of The Stick」と続きます。

 後半(LPだとB面)は雰囲気が異なり、作曲家としてもラルフにスポットを当てた内容で、穏やかな「Soweto 6」、スティーブ・ウィルソン(Viola's Dance)のソプラノが幻想的な「Viola's Dance」、チャーリー・パーカーのコンファーメーションを下敷きにした「Bebopskerony」と(私にとって)魅力的な曲が満載です。


 ・・・ジェリ・アレン(Geri Allen)とラルフ・ピーターソンのコンビネーションは抜群だったのでしょうか?このアルバムの勢いそのままに二人はトリオで次作「Traiangular(CJ32-5505)」を録音します。

●V / Ralph Peterson Quintet somethin'else 5502 [CJ32-5502]

01. Enemy Within (Ralph Peterson) 7:37
02. Monief (Ralph Peterson) 6:51
03. The Short End Of The Stick (Donald Brown) 6:43

04. Soweto 6 (Ralph Peterson) 5:53
05. Viola's Dance (Ralph Peterson) 7:11
06. Bebopskerony (Ralph Peterson) 7:37

Terence Blanchard (tp) Steve Wilson (as,ss) Geri Allen (p) Phil Bowler (b) Ralph Peterson (ds)
Recorded on April 19 & 20, 1988 at A & R Recording, NYC


This Album is Dedicated to The Memory of Dannie Richmond