早世した”ピアノの妖精”-Pianism / Michel Petrucciani [Blue Note BT 85124]2007/04/15 20:51

Blue Note BT 85124 - Pianism / Michel Petrucciani

 加持です。
  T.ウィリアムス(ds)に続いては、フランス出身のピアニスト「ミッシェル・ペトルチアーニ(Michel Petrucciani)」です。
 1999年に惜しくも亡くなってしまいましたが、先天性の骨疾患「大理石病」と闘いながら世界中を飛び回っていたパワフルな彼のことを”ピアノの化身”と称える人もいましたね。
 その容貌と美しいピアノの演奏を聴いていると、何だかふと”ピアノの妖精”と言う言葉が頭に浮かんできました。


 とにかく全編でペトルチアーニの弾くピアノのハーモニーの新鮮で美しいこと!フランス人らしい演奏といった方がしっくりくるかな?
 病気と闘いながら「まだ生きて演奏出来る喜び」みたいなものが、ダイレクトに伝わってくる作品です。


 約2分間のピアノソロから始まる「The Prayer」はまるで、晴れ渡る朝の高原を吹き抜ける風のように、爽やかなナンバーです。
 続く「Our Tune」は、ドラム&ベースが活躍する躍動感いっぱいのナンバー。
 3曲目「Face's Face」は、バップ調の懐かしいテーマの曲ですね。最後のテーマに戻る直前、ドラムとの8小節にわたるソロ交換が聴けます。

 LP時代はB面だった、いきなり急速調のピアノソロから始まる「Night and Day」では、海原を疾走するかの様なピアノプレイが心地よいですね。
 5曲目の「Here's That Rainy Day」では雨の中、長靴を履いた子供達が楽しそうに歩く光景がふいに浮かんできました。

 最後の「Regina」はミッシェル・ペトルチアーニの演奏の本質を表現するかのような、美しい中にも力強さを感じることが出来る曲です。


●Pianism / Michel Petrucciani (Manhattan) Blue Note BT 85124

01. The Prayer (M.Petrucciani)
02. Our Tune (M.Petrucciani)
03. Face's Face (M.Petrucciani)

04. Night and Day (Cole Porter)
05. Here's That Rainy Day (J.V.Heusen-J.Burke)
06. Regina (M.Petrucciani)

Michel Petrucciani (p) Palle Danielsson (b) Eliot Zigmund (ds)
Recorded on December 20, 1985 at RCA Studio C, NYC


●おまけ
 丁度今、TVモニターにはこのアルバムと録音月が同じで、同じメンバーによる「ビレッジ・バンガード」で収録されたライブLD(レーザーディスク!)を流しているのですが、パワフルかつ美しいメロディーを紡ぎ出す彼の動く姿を見ていると、キーボードの動きが止まりますね。
 蛇足ですがLDのライナーノート、留学生時代にオーナーの許しを貰い「ビレッジ・バンガード」にフリーパスで入れたという小川隆夫さんです。


●amazon で購入出来るCDです。

●Pianism (UK 輸入盤)
Pianism
●Pianism (東芝EMI)
ピアニズム
●Blue Note 時代の録音のBOX SET
Complete Recordings of Michel Petrucciani

伝説のトランペット奏者に捧ぐ-The Freddie Hubbard - Woody Shaw Sessions [Blue Note]2007/04/17 05:51

F.Hubbard - W.Shaw Sessions   Blue Note

 加持です。
 今日は邦題「トランペット伝説」と名付けられたアルバムです。ジャケットは、続編とカップリングされた2枚組CDのものです。


 ウディ・ショウ(tp)の発案で企画されたこのアルバム、相方F.ハバード(tp)との2トランペットで「トランペットの巨人達」の曲を演奏しようというものです。

 J.A.T.P.を筆頭とした古き良き時代の「ブローイング・セッション」と違いは、”3人目のトランペット奏者”ドン・シックラー(arr)にアレンジを任せている事です。現代的なハーモニーは、名曲アレンジする際の参考になります。
 あと、アクセントとして機能するK.ギャレット(as, fl)の演奏も意外といいですね。


 私は、「2トランペット&D.シックラーのアレンジ」というだけでもう満足なのですが・・・選曲も渋い。簡単にオリジナル演奏を列記しておきます。


●1枚目「Double Take(邦題:トランペット伝説)」

 「Sandu」は、「Study In Brown / Clifford Brown - Max Roach Quintet (EmArcy MG 36037)」に収録された軽快なブルースです。

 「Boperation」は、「The Fabulous Fats Navarro, Vol. 2 (BN1532)」に収録されたH.マギー(tp)&F.ナバロ(tp)のバップテットによる演奏です。

 B.リトル(tp)に捧げた「Lament For Booker」と、テーマが面倒(笑)な「Hub-Tones」は、F.ハバード自身の「Hub-Tones / Freddie Hubbard (BN4115)」に収録されてますね。

 エキゾチックな「Desert Moonlight」は、L.モーガン(tp)・J.ヘンダーソン(ts)コンビの「The Rumproller / Lee Morgan (BN4199)」に収録されています。米盤では作曲「L.モーガン」と記載されていますが、この曲は日本の童謡?「月の砂漠」です。

 K.ドーハム(tp)の名曲「Lotus Blossom」は、自身の「New Jazz」への録音の他、「Asiatic Races」記載されて「Goin' Up / Freddie Hubbard (BN4056)」「Newk's Time / Sonny Rollins (BN4001)」で聴くことができます。


●ついてに2枚目「The Eternal Triangle」も。

 「Calling Miss Khadija」は、W.ショーター(ts)とL.モーガン(tp)入りの3管編成メッセンジャーズの「Indestructible / Art Blakey & The Jazz Messengers (BN4193)」に収録されています。

 「The Moontrane」は、W.ショウが参加したL.ヤング(org)「Unity / Larry Young (BN4221)」の中の1曲。

 哀愁漂う「Sao Paulo」は、K.ドーハム(tp)の「Una Mas / Kenny Dorham (BN4127)」収録。

 「Reets And I」は、B.パウエル(p)トリオによる演奏が「The Amazing Bud Powel Vol.2 (BN1504)」に収録されています。



 ・・・オリジナル演奏を書き出すだけで疲れた(~~)。

 ウディ・ショウ(tp)はすでに死去、フレディ・ハバード(tp)も引退状態に在る今、このアルバムも「伝説」となってしまいましたね。
 ドン・シックラー(tp, arr)は、T.S.モンク(ds)のバンドで元気に活躍してますが・・・。


●The Freddie Hubbard - Woody Shaw Sessions Blue Note CDP 7243 8 32747 2 7

Disc One -
●Double Take / Freddie Hubbard - Woody Shaw Manhattan Blue Note BST 85121 (B2-46294)

01. Sandu (Clifford Beown) 4:26
02. Boperation (F.Navarro-H.McGhee) 4:51
03. Lament For Booker (F.Hubbard) 6:19
04. Hub-Tones (F.Hubbard) 6:18
05. Desert Moonlight (S.Sasaki) 7:59
06. Just A Ballad For Woody (T.Trainello-W.Shaw) 5:26
07. Lotus Blossom (Kenny Dorham) 8:12


Freddie Hubbard (tp, flh)Woody Shaw (tp) Kenny Garrett (as, fl) Mulgrew Miller (p) Cecil McBee (b) Carl Allen (ds)
Arranged by Don Sickler
Recorede on November 21 & 22, 1985 at Rudy Van Gelder Studio, NJ.


Disc Two -
●The Eternal Triangle / Freddie Hubbard - Woody Shaw Manhattan Blue Note B2-48017

01. Down Under (F.Hubbard) 7:35
02. The Eternal Triangle (Sonny Stitt) 7:47
03. The Moontrane (W.Shaw) 6:28
04. Calling Miss Khadija (Lee Morgan) 6:38
05. Nostrand And Fulton (F.Hubbard) 6:09
06. Tomorrow's Destiny (W.Shaw) 7:04
07. Sao Paulo (Kenny Dorham) 8:10
08. Reets And I (Bennie Harris) 6:41

Freddie Hubbard (tp, flh)Woody Shaw (tp) Kenny Garrett (as) Mulgrew Miller (p) Ray Drummond (b) Carl Allen (ds)
Arranged by Don Sickler
Recorede on June 11 & 12, 1987 at Rudy Van Gelder Studio, NJ.




●私の手持ちの2枚組CDです(amazon)
The Complete Freddie Hubbard and Woody Shaw Sessions

●「sandu」のオリジナル収録、名盤です。
スタディ・イン・ブラウン
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”あの夜”を再び-The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol. 1&2 / Joe Henderson Blue Note BST 85123/262007/04/18 01:01

BST85123/126 The State of The Tenor (2CD) - Joe Henderson

 加持です。ここ数日は「花冷え」なんですか、新潟では寒い日が続きますね。


 今日は、J.ヘンダーソン(ts)のビレッジ・バンガード(Village Vanguard)で行われたピアノレス・トリオ編成によるライブ録音です。
 私の手持ちは2枚組CDなんですが、”あの夜”のライブとともに比較的良く聴いてます。

 この編成、この場所、ブルーノート・・・・そう、”あの夜”のライブです!

 ”あの夜”の様子は、28年前の1957年11月3日にライブ録音された、「A Night At The Village Vanguard / Sonny Rollins (BN1581)」で聴くことが出来ます。


 選曲は自作の他、T.モンク(p)、サム・リバース(ts)、チャールズ・ミンガス(b)、デューク・エリントン(p, cond)と癖のある皆さんの作品が並んでいます。
 中でも「13日の金曜日(Friday The Thirteenth)」、「Ask Me Now」といったモンクの作品で、J.ヘンダーソン”らしい”演奏を聴くことが出来ます。

 ヘンダーソン独特のユーモアがあり、大気中に電波を放射するような「フレーズブツ切れ」奏法が、モンクの曲とマッチするのでしょう。

 モンクの曲にも通じる「Isotope(物理・化学用語の同位元素のこと)」なんて摩訶不思議な曲を作曲していますから、自分の個性は十分承知していたのでしょうね。


 最後に、私が良く聴く理由の一つを挙げておきます。譜面起こし?で、ここにもドン・シックラー(tp, arr)が参加してる為です。当時のドンは、かつてのドナルド・バード(tp)のようにM.カスクーナ達を補佐する立場にあったのでしょうか?一度お会いして、聴いてみたいものです。


●The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol. 1 / Joe Henderson Manhattan Blue Note BST 85123

01. Beatrice (Sam Rivers) 05:37
02. Friday The Thirteenth (T.Monk) 08:07
03. Happy Reunion (Duke Ellington) 08:23
04. Loose Change (Ron Carter) 06:54
05. Ask Me Now (T.Monk) 05:53
06. Isotope (J.Henderson) 09:15
bonus track
07. Stella By Starlight (V.Young/N.Washington) 10:06

Joe Henderson (ts) Ron Carter (b) Al Foster (ds)
Music Transcribed & Adapted by Don Sickler
Recoreded Live at "Village Vanguard", NYC on November 14, 15 and 16, 1985


●The State Of The Tenor Live At The Village Vanguard Vol. 2 / Joe Henderson Manhattan Blue Note BST 85126

01. Boo Boo's Birthday (T.Monk) 07:08
02. Cheryl (C.Parker) 07:28
03. Y Ya La Quiero (J.Henderson) 06:27
04. Soulville (Horace Silver) 05:27
05. Portrait (Charles Mingus) 06:53
06. The Bead Game (J.Henderson) 09:32
bonus track
07. All The Things You Are (J.Kern/O.Hammerstein) 08:43

Joe Henderson (ts) Ron Carter (b) Al Foster (ds)
Music Transcribed & Adapted by Don Sickler
Recoreded Live at "Village Vanguard", NYC on November 14, 15 and 16, 1985


●おまけ●
 個性的なJ.ヘンダーソンも、2001年に亡くなっています。T.ウィリアムス(ds)、W.ショウ(tp)、G.アダムス(ts)・・・新生ブルーノートに名作を残した先人達は早々と天に召されてしましましたね。
 ・・・実は天国に録音スタジオがあって、A.ライオンとF.ウルフの2人に呼び寄せられているかも?そんな馬鹿な事を考えてしまう今日この頃です。


●米盤2枚組CDです(amazon)
The State of the Tenor, Vols. 1 & 2


「晴天の霹靂」第2幕-Inside Track / Out Of The Blue [Blue Note BST 85128]2007/04/19 06:01

BST85128 Inside Track - O.T.B.

 加持です。春なのに・・・なんだか寒いですね。

 O.T.B.(Out Of The Blue)の2作目です。
 マウント・フジ・ジャズフェスティバル来日時(87年?)、「O.T.B.は、"Off The Bus"の略だ!」とM.モスマンがジョークで言っていたそうです(~~)。

 このアルバムはデビューアルバムから1年後に録音されたもので、1年で急成長を遂げたバンドの素晴らしい演奏が(アンサンブルも)堪能出来ます。

 1作目と比較すると、まずグループとしてのまとまりが素晴らしくなっており、作曲やアンサンブル面も飛躍的に向上しております。

 曲はR.ボーエン(ts)、M.モスマン(tp)、R.ピーターソン(ds)の3人がそれぞれ2曲ずつ持ち寄り、その他、タッド・ダメロン(p, arr)の作品が取り上げられています。


 まずはラルフ・ボーエン(ts)の作品から。

 いかにもオープニング・ナンバーといった風情の「Inside Track」は、テーマ部からR.ピーターソンの切れが良いドラムを堪能出来ます。
 ゆったりとしたリズムに綺麗なアンサンブルがからむラストの「Elevation」は、H.ハンコック(p)の「Speak Like A Child」にも通じるしっとりとした叙情感漂うナンバーです。


 次にマイケル・モスマン(tp)の作品を。

 テーマ部に、”ビックバンドのリフ”の如く”強烈な強弱”付けた「Cherry Pickens」は、ソロの合間にも他の管楽器奏者がバック・リフが入るので、「ビックバンド」か「3管ジャズ・メッセンジャーズ」がお好きな方(私も含む)にお勧めです。
 もう1曲「Isolation」は、M.モスマンのフィーチャー・ナンバーです。彼のふくよかな音色のゆったりとしたソロが楽しめます。


 最後に私の大好きな、ラルフ・ピーターソン(ds)を。

 ミディアム・テンポの「E Force」は、ストップ・タイム(曲の途中で演奏を止める)が効果的に使われていて、ドラム奏者が好きそうなナンバーです。ソロで、ちょっとF.ハバード(tp)しているM.モスマンも素敵です。
 アップテンポの「Nathan Jones」は、ストップ・タイムに加え、後半にラテン風味のリズムが出てくるリズミックなナンバーです。ドラムセットをフルに叩きまくるラルフが圧巻です。
 途中、B.ハースト(b)のソロを挟み、最後にラルフがお得意のフレーズを混ぜつつ、たっぷりとソロを取ります。


 タッド・ダメロンの「Hot House」はピアノ・トリオによる演奏です。

 テーマを飛ばしていきなりソロから入っており、一番最後のテーマで「ああ、ホット・ハウスだったのか」 とオチがつく、と言った感じですかね。
 この曲は、P.J.ジョーンズ(ds)がリーダー勤めたT.ダメロンの作品を演奏するバンド、ダメロニアに参加していたドン・シックラー(tp, arr)あたりの影響でしょう、多分。

 ああ、P.J.ジョーンズで思い出しましたが、ピアニストのエルモ・ホープ(Elmo Hope)が「Hot Souce」という曲を作曲してますね。確か、ブルーノートの5000番台で聴けたような・・・昔、曲名をよく間違えました(~~)。


 近年では、「O.T.B.」のようなバンドを聴くことがないのが寂しい限りです。

 日本の「大坂-原クインテット」も実質的なレギュラー活動を停止してしまっていますし・・・あ、あんまり聴きませんが日本のバンド、「PE'Z」は良いですね。


●Inside Track / Out Of The Blue Manhattan Blue Note BST 85128

01. Inside Track (Ralph Bowen) 5:45
02. Cherry Pickens (Michael Phillip Mossman) 6:21
03. Hot House (Tadd Dameron) 6:37
04. E Force (Ralph Peterson) 5:14
05. Nathan Jones (Ralph Peterson) 7:41
06. Isolation (Michael Phillip Mossman) 7:01
07. Elevation (Ralph Bowen) 6:09

Michael Phillip Mossman (tp) Kenny Garrett (as) Ralph Bowen (ts)
Harry Pickens (p) Bob Hurst (b) Ralph Peterson (ds)
Recorded on June 19 & 20, 1986 at RCA Studio C, NYC


●おまけ
 1985年大晦日のコンサート(公共ラジオ放送(PBS)を通じて全米に放送)で全米デビューした彼らは、1夜にして期待の「新人バンド」として聴衆の注目を集めたようです。正に「晴天の霹靂(Out Of The Blue)」のデビューライブだったのでしょうね。
 CDのライナーを読むと、筆者の小川隆夫さんは「大晦日に行われたライブのリハーサル(12/28-12/30)」を見学していたそうなので、今度機会があればその様子を詳しく聞いてみようと思ってます。


●Inside Track (amazon)
Inside Track

3人の音楽匠達-Power of Three / Michel Petrucciani [Blue Note BST 85133]2007/04/20 05:31

BN85133 Power Of Three - Michel Petrucciani

 加持です。今日はちょっと暖かいですね。


 M.ペトルチアーニ(p)の2作目は、1986年7月にスイスで開催された有名なモントルー・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音です。
 モントルーで真っ先に思い出すのが「お城のジャケット」、1968年のビル・エバンス・トリオのライブ録音(Verve)ですか・・・。

 ちなみにその年はフェスティバル開催20周年を記念して、E.クラプトン、D.サンボーン、G.ベンソン、M.デイビス、H.ハンコック、G.デュークなどの大物が参加していました。いやー凄いメンツですね。


 基本的にはJ.ホール(g)とのデュオなのですが、何曲かにW.ショーター(ts, ss)が参加しています。


 さて始めにこのライブ・アルバム、1962年に録音された「Undercurrent / Bill Evans & Jim Hall (Liberty UAJS 15003)」を比較されることが多いようです。
 しかし、ピン!と張り詰めた緊張感漂う24年前の演奏とは異なり、ひたすら陽気で、ライブならではのリラック・ムード漂う作品に仕上がっております。


 どの曲もそれぞれ聴き応えがあるのですが、中でも最後の2曲がいいですね。

 デュオで演奏されるD.エリントンの作のバラッド「In a Sentimental Mood」では、M.ペトルチアーニ(p)とJ.ホール(g)の和やかなインタープレイが楽しめます。
 特にシングルノートで綴られるピアノ・ソロ、「明るいビル・エバンス」とでも喩えれば良いのかな?美しいですね。

 3人揃っての「Bimini」は、楽しい祝祭の最後を締めくくるに相応しいミディアム・テンポのナンバーです。
 演奏中ずっと聴こえるJ.ホールの何気ないコード・ストローク、思わず「いよっ!名人芸!」と声を掛けたくなりますね。


 会場内の反応(拍手)も、非常に友好的な雰囲気のようです。現在、映像版(DVD)も発売されているので、三人の「音楽匠の技」どちらかお好きな方でお楽しみ下さい。

●Power of Three / Michel Petrucciani Manhattan Blue Note BST 85133

01. Limbo (W.Shorter) *
02. Careful (J.Hall)
03. Morning Blues (M.Petrucciani) *

04. Waltz New (J.Hall)
05. Beautiful Love (Gillespie-Young-King-Van Alstyne)

06. In a Sentimental Mood (M.Kurtz-I.Mills-D.Ellington)
07. Bimini (James S.Hall) *

Wayne Shorter (ss, ts -*) Jim Hall (g) Michel Petrucciani (p)
Recorded on July 14, 1986 at'Montreux Jazz Festival', "Casino de Montreux", Switzerland

※04,05の2曲は、LP(BST85133)未収録です。

●2003年に再発されたUK盤です。
Power of Three
●リージョン1(北米仕様)のDVDです。


日本を舞台にした「新生ブルーノート」-Mt.Fuji Jazz Festival with Blue Note '862007/04/21 02:28

新発田・大峯山の水芭蕉です。

 加持です。「新生ブルーノート」のアルバム紹介、その舞台はいよいよ日本へと拡大します・・・。


 始動から約1年半後、新生ブルーノートはなんと日本で「ジャズ・フェスティバル」を開催します。

 これはNYのタウン・ホールで行われたコンサートのアウトドア拡大版として企画されたものであり、東芝EMIの行方均氏らの強い希望でスペシャル・ゲストとして、かつてのオーナー「アルフレッド・ライオン(Alfrd Lion)」の来日までも実現しました。


 「マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル(Mt.Fuji Jazz Festival with Blue Note)」と名付けられたジャズ・フェスティバル、A.ライオンが見守る中、昼は山梨県の山中湖畔特設ステージ、夜はアーティスト達の宿泊先である「ホテルマウント富士」を舞台にし、連日連夜熱い演奏を繰り広げました。


 当時の資料によると、1986年の開催内容は次の通りです(ジャム・セッションの詳細は不明)。プログラムを眺めると、「トリビュート企画」が多いですね。

< Mt.Fuji Jazz Festival with Blue Note '86 on Lake Yamanaka at the foot of Mt.Fuji August 29-31,1986 >

●August 29,1986 (Fri) 1st Jazz Day
  • 1st set: OTB & The Little Giants

  • 2nd set: LD + Kankawa : Super Soul Jam

  • 3rd set: Milt Jackson Quartet "Tribute to Thelonious Monk"

  • 4th set: Andrew Hill Solo/Trio/Sextet

  • 5th set: Herbie Hanckock Trio featuring James Newton, Bobby Hutcherson "Tribute to Eric Dolphy"

●August 29,1986 (Fri) 1st Jazz Night
  • Jam Session

●August 30,1986 (Sat) 2nd Jazz Day
  • 1st set: Benny & Yosuke / Benny Wallace Group

  • 2nd set: Jackile McLean Quintet / Cedar Walton Trio "Tribute to Sonny Clark"

  • 3rd set: Stanley "The Man" Turrentine

  • 4th set: Carmen McRae

  • 5th set: Art Blakey's Now & Then Jazz Messengers

●August 30,1986 (Sat) 2nd Jazz Night
  • Jam Session

●August 31,1986 (Sun) 3rd Jazz Day
  • 1st set: OTB featuring Harry Pickens Trio "Tribute to Bud Powell"

  • 2nd set: Freddie - Woody - 2 trumpets ”偉大なトランペッターたちに捧ぐ”

  • 3rd set: Michel Petrucciani Solo : Pianism

  • 4th set: Herbie Hancock - The Sextet

  • 5th set: Grand Finale : Tribute to Alfred Lion


 A.ライオンは、来日する条件として、自らのプロデュース失敗で「スター」に出来なかった「アンドリュー・ヒル(Andrew Hill)を呼ぶ事」を提案したそうです。
 いやしかし、以前の所属アーティストにまで気を遣う、「プロデューサ魂」を持つA.ライオン、本当に頭が下がりますね。

 なおA.ライオンの来日中、主治医としてジャズ・ジャーナリストでもある小川隆夫さんが終日付き添っていたそうです。


 演奏の一部は、TVは「日本テレビ系列」、ラジオは「NHK-FM」を通してオンエアされています。その後、収録された映像は東芝EMIより2本のビデオとLD(レーザー・ディスク)に纏められ、販売(現在は廃盤)。


 それでは次回から、このフェスティバルの様子を収録した作品を紹介していきます。

 最後に。フェスティバル開催を記念して、日本の東芝EMIは「ブルーノート名盤のCD化(Blue Note Super CD 50 series)」を開始します。
 ついでにCD化の内容(CD番号)をまとめた資料を整理したので、近日中にデータとして公開する予定です。

1986年マウント・フジでのライブ盤!-OTB Live At Mt. Fuji [Blue Note BST 85141]2007/04/23 22:51

BST85141 OTB Live At Ft.Fuji

 加持です。A.ライオンの希望で、1986年のマウント・フジにも出演したアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)が、現地時間20日に肺ガンのため75歳で亡くなったそうです。
 つい最近、「新生ブルーノート」に戻ってきたばかりで、旧譜の復刻も順調に進んでいたのに・・・・本当に残念です。
 そんな訳で今、手持ちのCDを片っ端から聴いています。一通り聴き終わったら、好きなアルバムをランダムに紹介して、私なりの追悼としたいと思いますが、まずはこちらのけりをつけましょう・・・。


 さて、日本に舞台を拡大した新生ブルーノートは1986年8月末、山梨県の山中湖畔で3日間に渡り繰り広げられたライブ・プログラムから1枚だけアルバムを発売します。それが「OTB Live At Mt.Fuji」です。

 当日のプログラムは前半、リズム・セクションのみで「バド・パウエルに捧げる」プログラムを演奏します。

 ピアノのハリー・ピケンズは、アップテンポの1曲目「A Parisian Thoroughfare」からパウエル風の流暢なタッチの演奏を聴かせます。まさにバリー・ハリス(p)の「At The Workshop (Riverside)」を再現したような感じで。

 で、一番の聴き所はやはり、ピアノ・ソロによる「虹の彼方に(Over The Rainbow)」でしょう。
 多少走り気味で落ち着きの無い「オリジナル演奏」に比べスロー気味で、会場いっぱいに響き渡るかのような演奏は気持ちイイデスネ。

 なお全ての演奏は、バド・パウエル(p)本人がブルー・ノート・レコードに残した演奏のフォーマットを可能な限り忠実に再現しているので、オリジナルと聴き比べてみるのも一興かと思われます。


 後半は、OTBのメンバー全員揃って、メンバーのオリジナルを3曲演奏します。内、2曲は2枚目のアルバム「Inside Track」からで、テーマ曲の「OTB」のみデビューアルバムの収録曲です。
 まずスタジオ録音よりもリズム陣(特にドラム)のキメが多くなっており、1年でメンバー全員が急成長している事を実感出来ますね。

 最後の「OTB」、ハリー・ピケンズ(p)がソロの途中に「朝日のようにさわやかに」の1節を挟むのですが、気づいた一部のお客さんが歓声で応えています。いいですねーこの一体感。


●OTB Live At Mt. Fuji Manhattan Blue Note BST 85141

01. A Parisian Thoroughfare (Bud Powell) [trio] 03:31
02. Celia (Bud Powell) [trio] * 04:45
03. Over The Rainbow (H.Arlen/E.Y.Harburg) [piano solo] * 03:04
04. Blue Pearl (Bud Powell) [trio] 04:43

05. Nathan Jones (Ralph Peterson) 11:23
06. Elevation (Ralph Bowen) 11:39
07. OTB (Michael Philip Mossman) 11:35


OTB featuring Harry Pickens Trio [Tribute to Bud Powell]

Michael Philip Mossman(tp) Kenny Garrett(as) Ralph Bowen(ts)
Harry Pickens(p) Kenny Davis(b) Ralph Peterson(ds)

Recorded on August 31,1986 (Sun) 1st set/3rd Day

* Does not appear L.P. configuration


●おまけ

 成田正氏の作成したWEBデータベースで検索すると、アルバム収録曲の他に、「All God's Children Got Rhythm」「Un Poco Loco (Bud Powell)」が演奏されたそうです。
 「Un Poco Loco」におけるR.ピーターソンのドラム、是非聴いてみたいですね。マックス・ローチ(ds)のようにカウベル使ったのかな?


 次回は、東芝EMIから発売された「ライブ映像」のレーザーディスク2枚を紹介する予定でしたが、アンドリュー・ヒル(p)のアルバム紹介に切り替えます。
 何せ「ブルーノート・レコード」内で、私が最も好きで追いかけたピアニスト・作曲家ですから・・・。

●OTB Live At Mt.Fuji (amazon)
Live at Mt. Fuji

二人のジャズ伝道師 「アンドリュー」と「ハービー」-アンドリュー・ヒル(p) 追悼2007/04/25 22:41

Black Fire & Takin' Off & No Room For Squre

 加持です。今月20日に亡くなったアンドリュー・ヒル(Andrew Hill)を追悼するために、手持ちCDを全て聴き終えました。
 彼の残したCDを紹介する前に、序章として「ある物語」をご紹介します・・・つたない文章ですが。



 「その昔、ドイツ生まれのアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)という、ジャズの教えを熱心に布教している男がおりました。

 彼の下には、アート・ブレイキー(Art Blakey)を筆頭に、自らジャズ・メッセンジャーズ(Jazz Messengers)と名乗る熱心なジャズの伝道師達がおり、事ある毎に教会(スタジオ)に集い、祈り(演奏)を捧げていました。

 布教活動も活発になってきたある日、ライオンの所に、新たにシカゴから、2人のジャズ伝道師がやって来ました・・・。


 一人は牧師の息子、ドナルド・バード(Donald Byrd)が連れてきたハービー・ハンコック(Herbie Hancock)。もう一人は、ジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)が連れてきた、アンドリュー・ヒル(Andrew Hill)です。
 ちなみにこの二人、同じような演奏をするピアニストでした。


 しかし要領の良いハービーは、すぐマイルス・デイビス(Miles Davis)という別の司教(ジャズ・メン)の所に飛び立ち(Takin' Off)、結果、富と名声をどんどん高めていきました。


 もう一人のアンドリューはというと、すぐ、ジャズの伝道師達や、熱心な信者(ジャズ批評家)達の間では一目置かれる存在にはなりました。

 が、しかし、富には見放され、かわいそうなことに最後は、黒い炎(Black Fire)に焼かれジャズの伝道師として殉教を遂げました・・・おしまい。」


 ・・・これは、写真にある3枚のジャケットを眺めていて、ふと浮かんだ物語を書き留めたものです。

 ブルーノートでの初リーダーアルバムのジャケットが、同じ資質を持ちながら結局、正反対な運命をたどる二人を暗示する・・・・何か不思議な偶然です。
 いや、アルフレッド・ライオンは、そこまで見抜いていたのでしょう。


 ためしに「No Room For Squres / Hank Mobley (BST84149)」を聴いて見てください。そこでの二人の演奏は、意識しないと区別出来なくなる程、似通っています。

 だからこそ、アンドリューに富を与えるため(生活を安定させるため)、一般向けにハービーの「Speak Like a Child (BST84279)」のような”売れる”アルバムを作らせていたらどうなっただろう?

 ある寒い春の午後、CDを聴きながらそんな事を空想しておりました・・追悼を込めて。


 ・・・次回からは、私の好きなアンドリュー・ヒルの作品紹介に入ります。

●米ブルーノートのHPです。ニュースページにアンドリューへの追悼文が掲載されています。
http://www.bluenote.com/
●アンドリュー・ヒル自身のオフィシャルサイト。豊富なライブ音源を無料で視聴できます。
http://www.andrewhilljazz.com/


「黒き炎 Black Fire (BST84151)」-A.ヒル追悼(2)2007/04/26 20:41

Black Fire - Andrew Hill Blue Note BST84151

 加持です。
 20日に亡くなったA.ヒル(p, compser)追悼で聴いていたCD。よく棚を見ると何枚か未聴CD・LPを見つけました。
 いやあ、ブルーノート以外(Steeple Chase 盤とか)に結構持っていたんだな・・・。

 ではアルバム紹介に入りますがその前にA.ヒル関連の情報サイトを再掲。

●米ブルーノートのHPです。ニュースページにアンドリューへの追悼文が掲載されています。
http://www.bluenote.com/
●アンドリュー・ヒル自身のオフィシャルサイト。豊富なライブ音源を無料で視聴できます。
http://www.andrewhilljazz.com/


 1枚目はやはり、「Black Fire(BST84151)」です。大好きな作品なので、一番紹介し難いのですが・・・。

 「ブルーノートが見出した独特な才能=アンドリュー・ヒルの最高作(TOCJ-9585 の帯 より)」
 で、何が最高なのか・・・・これは、「一番聴きやすい」と置き換えた方が理解し易いと思います。


 このアルバムでは、A.ヒルの持つ二面性が程好くミックスされています。
 つまり、屈折したテーマを持つ1曲目の「Pumpkin」で聴けるフリーギリギリの過激さと、トリオで演奏される5曲目の「Tired Trade」で聴ける、H.ハンコック(p)にも通じる耽美な部分です。

 どちらの要素も素晴らしいと思うのですが、A.ヒル(あるいはオーナーのアルフレッド・ライオン)が選択した方向は前者の「過激さ」でした。
 その結果、「名声」は得られましたが、「富」からは見放された訳です・・・・。


 あと注目すべき点は、A.ヒルと「同じコンセプトで演奏出来る」ミュージシャンが揃っている事でしょう。

 A.ヒルの演奏の特徴の一つは、リズムを「繋げる」のではなく意図的に「ザクザク刻む(繋げない)」事なのですが、このアルバムでドラムのロイ・へインズ(Roy Haynes)と、テナーのジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)は彼のコンセプトを十分に理解し、ビートをサデスティクに切り刻んでいます。


 また全員がソロをやっているかのような、「主従なき」演奏スタイルは、ビル・エバンス(p)とスコット・ラファロ(b)が試みた「インタープレイ」に通じるのでは・・・。

 ロイ・へインズ(ds)が曲中ずっとまともな4ビートを刻まない理由は、ビル・エバンス(p)・トリオの”インタープレイ”を、「ピアノとベース」ではなく「ピアノとドラム」で試みているから!だと思われます。

 なおこの”インタープレイ”を、「ピアノとテナー」でやっているのが6曲目の「McNeil Island」ですね。



●Black Fire / Andrew Hill Blue Note BLP 4151

01. Pumpkin (Andrew Hill) *1
02. Subterfuge (Andrew Hill) *2
03. Black Fire (Andrew Hill) *1

04. Canternos (Andrew Hill) *1
05. Tired Trade (Andrew Hill) *2
06. McNeil Island (Andrew Hill) *3
07. Land Of Nod (Andrew Hill) *1


*1 Joe Henderson (ts) Andrew Hill (p) Richard Davis (b) Roy Haynes (ds)
*2 Andrew Hill (p) Richard Davis (b) Roy Haynes (ds)
*3 Joe Henderson (ts) Andrew Hill (p) Richard Davis (b)

Recored on November 9, 1963 at Rudy Van Gelder Studio, NJ


 

●「Black Fire」US盤(RVG Edition)
Black Fire
●「Black Fire」日本盤(1994年-東芝EMI)
ブラック・ファイアー


「Point Of Departure (BST84167)」 -A.ヒル追悼(3)2007/04/27 15:42

Point Of Departure - Andrew Hill  (BST4167)

 加持です。最初に、A.ヒル関連の情報サイトを再掲します。

●米ブルーノートのHPです。ニュースページにアンドリューへの追悼文が掲載されています。
http://www.bluenote.com/
●アンドリュー・ヒル自身のオフィシャルサイト。豊富なライブ音源を無料で視聴できます。
http://www.andrewhilljazz.com/


 2枚目は、E.ドルフィー(Eric Dolphy)を含むオールスターで録音された「Point Of Departure(BST8467)」です。
 意外とあっさりとした感じな仕上がり感は、T.ウィリアムス(Tony Williams)の若さ一杯!溌剌としたドラムのおかげでしょう。

 しかし良く考えると、ドラムで印象がガラっと換わるのがA.ヒル(p)の作品群なんですよね。

 例えば、「Judgment !(BST4159)」 でのE.ジョーンズ(ds)は、J.コルトレーン(ts)バンドでの演奏同様、音の隙間(空間)を埋めようとするので、「重苦しさ」に加え「暑苦しさ」が増して気楽に聴きにくいこと・・・。

 つまり、A.ヒルと演奏する場合、音の隙間を埋めず、意図的に生み出す演奏をしないと、駄目な(聴きにくい)様です。


 あと、フリー寄りの演奏が得意なE.ドルフィー(as, bcl, fl)の参加により、1枚目より過激さが増しています。

 中でも1曲目、トニーの叩き出す変幻自在のリズムが独特の雰囲気を醸し出す「Refuge」が、A.ヒルが前に出ておもしろい演奏だと思います。

 5曲目の「Dedication」は耽美寄りの演奏なのですが、E.ドルフィーのバス・クラリネットによる咆哮一発で、過激な方向に・・・(~~)。


 しかしこのアルバム、E.ドルフィー(as, bcl, fl)のバス・クラによる咆哮と、T.ウィリアムス(ds)の過激な演奏だけ耳に残りますね(~~)。

 まあ、ブルーノート新主流派オールスターズによる「アンドリュー・ヒル作品集」というのが、正しいアルバム解釈になりますか・・・・。


●Point Of Departure / Andrew Hill Blue Note BST84167

01. Refuge (Andrew Hill)
02. New Monastery (Andrew Hill)
03. Spectrum (Andrew Hill)
04. Flight 19 (Andrew Hill)
05. Dedication (Andrew Hill)

CD additional tracks
06. New Monastery (Alternate Take)
07. Flight 19 (Alternate Take)
08. Dedication (Alternate Take)

Kenny Dorham (tp) Eric Dolphy (as, bcl, fl) Joe Henderson (ts) Andrew Hill (p) Richard Davis (b) Tony Williams (ds)
Recoreded on March 21, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, NJ


●「Point Of Departure」紙ジャケット日本盤(RVG Edition)
ポイント・オブ・ディパーチャー+3(完全限定生産/紙ジャケット仕様)
●「Point Of Departure」日本盤(1994年-東芝EMI)
ポイント・オブ・ディパーチャー