「Grass Roots」-A.ヒル追悼(4)2007/04/28 08:43

Grass Roots - Andrew Hill  BST84303

 加持です。まずはA.ヒル関連の情報サイト再掲です。

●米ブルーノートの公式HP。ニュースページにアンドリューへの追悼文を掲載。
http://www.bluenote.com/
●アンドリュー・ヒル自身のオフィシャルサイト(豊富なライブ音源などを無料視聴OK!)。
http://www.andrewhilljazz.com/


 3枚目は「Grass Roots(BST 84303)」です。バラエティーに富んだこのアルバム、ヒルの魅力満載の1枚です。
 しかも、フロント陣はL.モーガン(tp)と、B.アービン(ts)!


 その中でもお勧めの1曲が「Mira」です。
 (原盤)ライナーノートを読むと、ジャズとラテンが融合(フュージョン)した曲と書いてあります。
 ウキウキするようなリズム・パターンに乗って、ヒルの珍しく軽快なソロが堪能できます。

 これは、アッパー・ウエスト・サイドに住むイタリア移民の子供達の叫び声「Mira !」からヒントを得て造った曲で、イタリア語で「見ろ!」など、注意を喚起する言葉だそうです。
 そういえばH.ハンコック(p)の大ヒット曲「Watermelon Man」も、スイカ売りの掛け声をヒントに造ったものだそうですし・・・。


 穏やかな雰囲気漂う1曲目「Grass Roots」は、「Eternal Spirit(1989年のブルーノート復帰作)」にダイレクトに繋がる演奏が聴ける1曲です。
 続くアップテンポの「Venture Inward(自身の探求?)」では、ヒルはもちろんのこと、L.モーガン(tp)の短いながらも思い切りのよいソロが楽しめます。

 ゴキゲンなノリの「Soul Special」では、L.モーガン(tp)がお得意のハーフ・バルブを交えたジャズ・ロック調ソロをたっぷり聴かせてくれます。

 ラストの「Bayou Red」は、マイナー調3拍子のジャズ・ワルツですが、ここではB.アービン(ts)が、アラビア音階をうまく使い、T.ブルックス(ts)のようにエキゾチックなソロを聴かせてくれます。


 1997年にステファノ・ボラーニ(p)が参加したバンド(Up Up with The Jazz Convention[Schema Records SCCD-306])で、「Mira」がカバーされたりすることを考えると本当、最初からこの路線で行けばもっと売れたのに・・・・・しかし、ヒルの登場した時代が悪かったんでしょうかねー。

●Grass Roots / Andrew Hill Blue Note BST 84303

01. Grass Roots (Andrew Hill)
02. Venture Inward (Andrew Hill)
03. Mira (Andrew Hill)

04. Soul Special (Andrew Hill)
05. Bayou Red (Andrew Hill)

Lee Morgan (tp) Booker Ervin (ts) Andrew Hill (p) Ron Carter (b) Freddie Waits (ds)
Recorded on August 5, 1968 at Rudy Van Gelder Studio, NJ


● CD additional tracks ●
06. MC (Andrew Hill)
07. Venture Inward (Andrew Hill) - First Version -
08. Soul Special (Andrew Hill) - First Version -
09. Bayou Red (Andrew Hill) - First Version -
10. Love Nocturne (Andrew Hill)

Woody Shaw (tp) Frank Mitchell (ts) Andrew Hill (p) Jimmy Ponder (g) Reggie Workman (b) Idris Muhammad (ds)
Recorded on April 19, 1968 at Rudy Van Gelder Studio, NJ


●「Grass Roots(BST 84303)」US盤(connoisseur cd series)
※アマゾンでコレクターズ価格のみ
Grass Roots