トニーの新生・復活-Foreign Intrigue / Tony Williams [Blue Note BST 85119] ― 2007/04/14 06:51
加持です。
「新生ブルーノート」ご紹介、続いてトニー・ウィリアムス(ds)の登場です。
「OTB [BST 85118]」の録音から2週間後、トニーが結成したニューグループの録音が行われました。
ブルーノート側は当初なんと、トニーに「エレクトリック(!)なアルバムを創ってくれないか」と要望したそうなのです。それで出来上がったのがこのアルバム!
エレクトリック・ドラムとドラム・マシンはアクセントとして導入されていますが、中身はストレイト・アヘッドなジャズ!です。
60年代と比べトニーは「シンバル類」よりも「ベースドラム」・「タム類」を多用する傾向がありますが、それが豪放なプレイを強調しているようです。
あと「マイルスそっくりさん」W.ルーニー(tp)の熱いプレイと、B.ハッチャーソン(vib)のクールなビブラフォン・サウンドが演奏に新鮮な空気を吹き込んでいます。
曲(全部トニーの作品)の方では、美メロ!の、「Sister Cheryl」が一番の聴きものです。
トニーが叩き出す心地よいリズムパターンに乗って、メンバーがクールなソロを繰り広げます。
この曲を聴くと、「快晴の中・・・海原をヨット進む」イメージが浮かんできます。つまり、トニー版の「処女航海(maiden Voyage)」なんですね。
●Foreign Intrigue / Tony Williams (Manhattan) Blue Note BST 85119
01. Foreign Intrigue (Tony Williams) *2
02. My Michele (Tony Williams) *2
03. Life Of The Party (Tony Williams) *2
04. Takin' My Time (Tony Williams) *1
05. Clearways (Tony Williams) *1
06. Sister Cheryl (Tony Williams) *1
07. Arboretum (Tony Williams) *1
Wallace Roney (tp) Donald Harrison (as) Bobby Hutcherson (vib)
Mulgrew Miller (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds, electric-ds, drum machine)
Recorded on June 18(*1) & 19(*2) 1985, at M&I Studios, NYC
●おまけ●
「Sister Cheryl」という曲はその他、「ウイントン・マルサリスの肖像(CBS/columbia)」等で聴くことが出来ます。
そこでウイントン・マルサリス(tp)の演奏が聴けるのですが、ウイントンは吹きまくらず断続的に短いフレーズ(1音を伸ばすだけが多い)を重ねます。
あのウイントンが何故吹かない?と長年疑問だったのですが、トニーのインタビュー記事を「Jazz Life(立東社の頃です)」で見て納得しました。
そこに「Sister Cheryl」の楽譜が掲載されたのですが、キーを見て吃驚(確か「E#」)!
・・・トランペット奏者なら、こんなキーで普通、曲作らないです。楽譜に#(シャープ)が沢山付くんですよ!つまり間違わないよう、いつも運指(バルブの押え方)を気にする必要がある訳です。
で試しに、何度かテーマ吹いてみましたが・・・・最後は諦めました。指が攣る(笑)。美メロの裏に罠(笑)あり。
●Foreign Intrigue(米盤-コレクター価格) Foreign Intrigue |
●Mosaic select: Tony Williams -2007年4月発売3枚組の新譜です(米盤)。 Mosaic Select: Tony Williams |
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