名門レーベル復活の日-One Night With Blue Note Vol. 1 [(Manhattan) Blue Note BST 85113]2007/04/12 07:02

One Night With Blue Note Volume 1

 加持です。
 資料が揃って来たのでこれから「新生ブルーノート(Manhattan Blue Note)」のアルバムをいくつか取り上げたいと思います。
 最近の「新生ブルーノート」は、ノラ・ジョーンズ(vo)のアルバムがビック・ヒットを記録していますね。



 さて、1985年2月22日に名門ジャズレーベル、ブルーノートが復活しました。
 それまで80年代前半のブルーノートは、純粋なジャズ・マーケットの減少(ロック・マーケットの拡大)に伴い、新録音を停止してつかの間「休眠」していたのです。
 丁度、「新伝承派」ウイントン・マルサリス(tp)の登場により活気づいたジャズ・シーンに、フュージョンに転向していたかつてのジャズ・メン達も、こぞって回帰しつつあった頃です。


 このアルバムは、第1回新譜発売に合わせてニューヨークのタウンホールで行われたコンサートの模様を収めたものです。

 創業者のアルフレッド・ライオン(Alfred Lion)、本アルバムや過去多くのカバーデザインを手がけたリード・マイルス(Reid Miles)らが見守る中、出演アーティスト達は非常にテンションの高い演奏を繰り広げます。

 特に「Volume 1 [BST 85113]」は、フレディ(tp)、ハービー(p)などが顔を揃え「新主流派」時代の曲を取り上げているのでお勧めです。

 1曲目はハービーの「Empyrean Isles [BST4175]」から「Cantaloupe Island」、2曲目はジョー・ヘンダーソンのデビューアルバム「Page One [BST4140]」から「Recorda Me」、飛んで5曲目はフレディ、トニー、ハッチャーソンが参加したエリック・ドルフィーの「Out To Luch ! [BST4163]」から「Hat And Beard」、残り2曲はハッチャーソンの作品ですね。


 アルフレッド・ライオンが目の前に居るのですから、当時可愛がってもらったアーティスト達が張り切らない訳がありませんね(~~)。

 中でもフレディ・ハバード(tp)の気合の入り方が半端じゃないですよ!あとフルートで参加するジェームス・ニュートンも結構良いです。
 まあとにかく、いろんな意味で素晴らしいライブ・アルバムです。

●One Night With Blue Note Vol. 1 [(Manhattan) Blue Note BST 85113]

01. Cantaloupe Island (H.Hanckck)
02. Recorda Me (J.Henderson)
03. Little B's Poem (B.Hutcherson)
04. Bouquet (B.Hutcherson)
05. Hat And Beard (Eric Dolphy)

Recorded on February 22, 1985 at "Town Hall", NYC.


●track 01
Freddie Hubbard (tp) Joe Henderson (ts) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)
●track 02
add Bobby Hutcherson (vib)
●track 03
James Newton (fl) replaces Hubbard (tp) Henderson (ts)
●track 04
Bobby Hutcherson (vib) Herbie Hancock (p) Ron Carter (b)
●track 05
James Newton (fl) Bobby Hutcherson (vib) Ron Carter (b) Tony Williams (ds)


 ドラムのトニー・ウィリアムスは、「新生ブルーノート」と契約し「Foreign Intrigue [BST85119]」を皮切りに素晴らしいアルバムを発表していきますが、詳細は次の機会にご紹介します。

 なお現在日本では、「新生ブルーノート」初期アルバム群はほとんど売り切れ!という状況ですので、欲しいものがあれば中古市場で根気よく探して下さい(アマゾンだと米盤のCDでも、約5,000円~で展示しているようです、うーん)。


●おまけ1●
 「新生ブルーノート」の始動には、日本での旧譜の売り上げが好調だったことが大きく関わっているようです。
 コンサートが開催される前年、1984年にはジャズ批評社から「全ブルーノート・ブック」が発売され、同年に東芝EMIの行方均氏「1500番のアルバム(LP)」を番号順!に発売し、日本のジャズファンにブルーノートを積極的にアピールしていたようです。

●おまけ2●
 コンサート当日は日本から行方均氏の他、”世界唯一の完全ブルーノート・コレクター”小川隆夫さんも参加されたそうです。
 その時に小川さんらが行った「アルフレッド・ライオンへのインタビュー」が、以降の著作、CDライナーノート、ジャズ各誌への記事で読むことが出来ます。
 あ小川さんの、マイルス・デイビス(tp)への最初のインタビューも同じ時期でしたね。


●ライブDVD

●再発盤