Hot House Flowers / Wynton Marsalis ― 2007/03/07 21:18

2月末から、かれこれ10日。アレルギーとインフルエンザ(?)のダブルパンチで、寝込んでました。
今のところ完全回復の見込みなし。もう少し直ったら、厄払いに行かないと、ですね。
もう少し遅ければ、桜吹雪で厄払いとしゃれこめるのですが・・・。新潟は一面の雪景色に逆戻り。
体調の悪い時に、結構好きなエリック・ドルフィー (as,bcl) とか、アンドリュー・ヒル (p) とか聴くとさらに悪化しそうなので我慢して、ビックバンド、ピアノトリオ、穏やかなストリングものなどを、集中的に流すことにしてます。
そこで、丁度今、デビュー初期のウイントン・マルサリス(tp)を集中的に聴いてまして。
その中の一枚から、聴きやすいストリングスもの「Hot House Flowers(放題は何故か、スターダストになってます)」を。
4曲目「星に願いを(When You Wish Upon A Star)」は、有名なディズニー・ナンバーなんですが、クインテットの演奏を引き立てる編曲なんで、結構スリリング!
このアルバムの中で一番のお気に入りです。
しかしこの頃から、ウイントンのトラッペットの鳴り方は半端じゃないんですね。惚れ直しました。
ついでに「邦題」の元曲、1曲目「スター・ダスト(Stardust)」を、クリフォード・ブラウン(Clifford Brown)のエマーシー(EmArcy)盤と聴き比べてみました。
・・・演奏の甲乙つけがたいんですが、クリフォード・ブラウンの演奏は、1955年の録音なので、なんとなくノスタルジックな気分になりますね。
「Hot House Flowers」、メンバーをよく見ると、兄貴のブランフォード・マルサリス(ts,ss)が参加。
そして今や、日本では話題から消えたマーロン・ジョーダン(tp)の兄貴、ケント・ジョーダン(fl)、ベースには何と、ロン・カーター参加と、豪華メンバー。
しかし、なんでここにロン・カーターが入っているのだろう?不思議な感じします。
●Hot House Flowers / Wynton Marsalis CBS
01. Stardust (H.Carmichael/M.Parish)
02. Lazy Afternoon (J.LaTouche)
03. For All We Know (F.Coots)
04. When You Wish Upon A Star (N.Washington/L.Harline)
05. Django (J.Lewis)
06. Melancholia (D.Ellington)
07. Hot House Flowers (Wynton Marsalis)
08. I'm Confessin' (That I Love You)
(A.J.Neiburg/D.Dougherty/E.Reynolds)
Wynton Marsalis (tp) Branford Marsalis (ts, ss) Kenny Kirkland (p)
Ron Carter (b) Jeff Watts (ds)
Kent Jordan (fl) Robert Freeman (cond, arr) & String Orchestra
Recorded on May 30 & 31, 1984 in N.Y.
夜は千の目を持つ - Coltrane's Sound / John Coltrane ― 2007/03/08 07:38

「夜は千の目を持つ(The Night Has a Thousand Eyes)」
こんなSFみたいなタイトル曲を、ウェイン・ショーター(ts)ではなく、ジョン・コルトレーンが颯爽と演奏しています。
しかし、アトランテック盤にこんな演奏があったとは。
作曲者名を確認すると、コルトレーンの作曲ではないみたいですね。
そういえば大学生時代、先輩のバンドが「夜千(よるせん)」とか言って、この曲練習していましたねー。懐かしい思い出です。
「Giant Steps」と「My Favorite Things」は入手していたのですが、ジャケットが怖くて買わなかったのが失敗だったか(笑)。
そういえば、ウェイン・ショーター(ts)のブルーノート盤 「Ju Ju」 の5曲目「Yes or No」っぽいですね。あとで、聴こうっと。
さて、アルバム「Coltrane's Sound」は全編、溌剌とした雰囲気が感じられ、私は1月あたりに結構聴いてました。
ブルーノートの「ブルー・トレイン」とか、初期インパルス(Impulse!)の作品群も好きですけど、集中的に聴きすぎて・・・・また半年も経つと、聴き始めると思いますが。
ソプラノサックスに持ち替え演奏するバラッド「Central Park West」も、しみじみして良い演奏だと思います。
●Coltrane's Sound / John Coltrane Atlantic SD 1419
01. The Night Has a Thousand Eyes (B.Bernier/J.Brainin) *2
02. Central Park West (John Coltrane) *1
03. Liberia (John Coltrane) *2
04. Body and Soul (J.Green/R.Sour/E.Heyman/F.Eyton) *1
05. Equinox (John Coltrane) *2
06. Satellite (John Coltrane) *1
bonus tracks 07. 26-2 (John Coltrane) *2
08. Body And Soul (J.Green/R.Sour/E.Heyman/F.Eyton) -alternate take *1
*1
John Coltrane (ts, ss) McCoy Tyner (p) Steve Davis (b) Elvin Jones (ds) Rrcorded on October 24, 1960 at Atlantic Studios, NYC
*2
John Coltrane (ts, ss) McCoy Tyner (p) Steve Davis (b) Elvin Jones (ds) Rrcorded on October 26, 1960 at Atlantic Studios, NYC
Album Of The Year / Art Blakey & Jazz Messengers ― 2007/03/09 07:40

80年代以降のジャズの流れを変えた男、ウイントン・マルサリス(Wynton Marsalis)全曲参加のジャズ・メッセンジャーズのアルバム「Album of the Year」です。
五目味かつ、フレッシュな演奏なんで、大好きなCD(笑)。
ドラムとトランペットが大暴れするアルバムは、大好物(笑)。
「アート・ブレイキー(Art Blakey)」と、「トニー・ウィリアムス(Tony Williams)」亡き後少ないですね、このタイプのアルバム。
残るは、元OTBの「ラルフ・ピーターソン(Ralph Peterson)」なんですが、最近国内盤の発売がないし・・・寂しい限りです。
それでは、おもむろにアルバムの内容を。
1曲目「Cheryl」、いきなりチャーリー・パーカーのビバップ!余裕の演奏?
ここですでに他のアルバムとは何か違う予感が。
続いて、ウイントンのソロ・ブレイクが凄い2曲目「Ms. B.C.」
こういう演奏を新伝承派というのかな?続いて全力疾走するソロ、トランペット吹きにはたまらない演奏です。
あとはご機嫌な演奏が続きます。
何気に5曲目「Witch Hunt」はウエイン・ショーター(ts)の名盤「Speak No Evil」からのカバーで新主流派の演奏も。
最後の「Soulful Mister Timmons」は、タイトルが暗示するように「Moanin'」調のファンキーな曲です。
何でもありだけど筋の通った構成、いいですね。
この頃の音楽監督はボビー・ワトソン(Bobby Watson)だと思われますが、彼のアイデアなんでしょうね。
しかし御大(ブレイキー)のドラムの叩き方、気合の入れ方が違う気が。
御大も、久々の逸材、ウイントン・マルサリスに刺激されたのでしょうねえ。
「ビバップ ~ ファンキー ~ 新主流派 ~ 新伝承派」と、全ての流れを「違和感無く」演奏出来てしまうアート・ブレイキーは、やはり偉大な存在です。
●Album of the Year / Art Blakey & The Jazz Messengers Timeless SJP 155
01. Cheryl (Charlie Parker)
02. Ms. B.C. (P.Watson)
03. In Case You Missed It (R.Watson)
04. Little Man (Charles Fambrough)
05. Witch Hunt (Wayne Shorter)
06. Soulful Mister Timmons (James Williams)
Wynton Marsalis (tp) Bobby Watson (as) Billy Pierce (ts)
James Williams (p) Charles Fambrough (b) Art Blakey (ds)
Recorded on April 12, 1981 at Davout Studios, Paris, France
●おまけ●
ライブではファンキー調の「Moanin'」、「Blues March」しかやらないバンドというイメージが定着していたのですが(加持がです)、本当はこういう多彩な演奏も出来たのね・・・。今考えると、同じ曲を要求するファン達にも問題があったのでしょうか?
最初にLPで発売された時、ジャケットはエジプト調の彫像だったはず。
海外盤は関係の無い景色のジャケットに代わってますので、ご注意を。 あとタイムレスと言うレーベル、オランダの会社みたいです。
ジャズマンが感じた日本の印象とは-Jazz Impressions of Japan / The Dave Brubeck Quratet Columbia CL 2212 ― 2007/03/10 16:28

どーうにも体調が戻らないー。本当に何でしょうかねー。
インフルエンザだとしたら、あと2日位で治まると思うんですが、仕方ないので自宅で動かずブログ更新。
さて今回は、デイブ・ブルーベック(p)・カルテットの最近聴いて、「おっ!」と思った一枚をご紹介します。
その1枚とは、「日本の印象(Jazz Impressions of Japan)」。
ブルーベック・カルテットが、1964年(春)来日時の思い出(?)を、1枚のアルバムにまとめたもの(5曲目だけ1960年の録音)。
そういえば他にも、「ユーラシアの印象(Jazz Impressions of Eurasia)」なんてアルバムがありましたね。
さて、このCD「Jazz Impressions of Japan」を聴いて思ったのは、美しくて静寂に包まれた曲が多めの「隠れ名盤」じゃないかと。
日本趣味丸出しなジャケットに騙されてはいけません(笑)。
1曲目の「Tokyo Traffic」は、マイナー調のご機嫌なアップ・テンポ・ナンバーです。
テーマで中国風ゴング(銅鑼)が聴こえたりして困ってしまうのですが・・・まあ、よしとしよう。
続く美しい「Rising Sun」、ブルーベックのボビー・ティモンズ(p)ばりのファンキーなピアノが聴ける「Toki's Theme」あたりで、アルバム最初のクライマックスを迎えます。
後半のポール・デスモンド(as)の音色が美しい「The City Is Crying」。
何故かコテコテな乗りでジョー・モレロの「Take Five」を彷彿とさせるドラム・ソロ入りのブルース「Osaka Blues」。
そしてラストの短いバラッド「Koto Song」 も、結構聴きものです。
.
「Koto Song(琴ソング)」は、デイブ・ブルーベックが90年代にもライブで演奏していたので、結構お気に入りだったのではないでしょうか。
●Jazz Impressions of Japan / The Dave Brubeck Quratet Columbia CL 2212
01. Tokyo Traffic (Dave Brubeck)
02. Rising Sun (Dave Brubeck)
03. Toki's Theme (Dave Brubeck)
04. Fujiyama (Dave Brubeck)
05. Zen Is When (B.Freedman/P.Leon) *
06. The City Is Crying (Dave Brubeck)
07. Osaka Blues (Dave Brubeck)
08. Koto Song (Dave Brubeck)
*
Paul Desmond (as) Dave Brubeck (p) Gene Wright (b) Joe Morello (ds)
Recorded on January 31, 1960 in NYC
other tunes
same personnel
Recorded on June 16 & 17, 1964 in NYC
●おまけ
その他、日本に来日したジャズ・マンが、日本をテーマに曲(やアルバム)を作ったものだと、アート・ブレイキーの「Ugetsu(雨月)」がありますね。
あと、ホレス・シルバー(p)の「Tokyo Blues(Blue note BLP 4110)」あたりか。
マイナー調ファンキーチューン「Tokyo Blues」は、90年代「NHK-FM」で放送された、ヨーロッパでのライブ録音で演奏されていたのを聴いたことあります。
その時のトランペットは、何故か元OTBの「Michael Phillip Mossman」だったり。
なんで、そのエアチェックテープは、今でもたまに引っ張り出して聴いています。
今回は、いろいろ思い出しましたね。
ジャズマンが感じた日本の印象とは(2) - The Tokyo Blues / Horace Silver Quintet Blue Note BLP 4110 ― 2007/03/11 10:47

はい、自宅療養中です。寒いです。
デイブ・ブルーベック(p)の「日本の印象」ご紹介の最後、ホレス・シルバー(p)の事を長々と書いてしまったの勢いで、この記事書くことにしました。
さてこのアルバム「The Tokyo Blues」。
デイブ・ブルーベック・カルテットは「中華風&静寂感」で攻めたのに対し、ホレスのクインテットはお得意の「ファンキー&ラテン風」で攻めてきます。
あ、静寂感漂う「Cherry Blossom」のみ、ピアノ・トリオによる演奏です。
お勧めの1曲はもちろん、タイトル曲の「The Tokyo Blues」です。
バリバリのファンキー&ラテン風ナンバーで、テーマ部に中華風銅鑼(ゴング)が聴こえるのは、ブルーベック盤同様これまたご愛嬌ですね。
絶好調のホレスは、いつものビックバンド・アンサンブル風のバッキングはもとより、ソロでもご機嫌な演奏を繰り広げます。
●The Tokyo Blues / Horace Silver Quintet Blue Note BLP 4110
side 1
01. Too Much Sake (Horace Silver)
02. Sayonara Blues (Horace Silver)
side 2
03. The Tokyo Blues (Horace Silver)
04. Cherry Blossom (Ronnell Bright)
05. Ah! So (Horace Silver)
Blue Mitchell (tp) Junior Cook (ts) Horace Silver (p) Gene Taylor (b) John Harris Jr. (ds)
Recorded on July 13 & 14, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ
●蛇足●
多少の弱点と言えば、アップテンポな曲の時、ドラムのジョン・ハリスJr.,の演奏が若干弱い所ですか・・・。
まあ次回作の「Silver's Serenade(Blue Note 84131)」で、病気療養中だったロイ・ブルックス(ds)が復帰していることを考えると、ホレス自身も「一時繋ぎ」としか考えていなかったのでしょうね。
●おまけ●
ホレスは演奏大好きです。自分では演奏出来ないですが(笑)。
マイナーな所ではBNLA時代、トム・ハレル(tp)在籍時の「Silver 'N ・・・」シリーズなんかも良いです(東芝EMIさん、限定BOXセットとかでCD化期待してます!)。
あと、ホレスの初来日は1962年のお正月、アート・ブレイキー(ds)のジャズ・メッセンジャーズの来日公演大成功に続くものでした。
手元のCDで、原田和典さんが書かれた日本語解説を読むと、初来日の時は、日本テレビで特別番組収録(是非、見てみたいですねー)。
その後、東京・名古屋・大阪・神戸・京都で、公演を行ったそうです。
こんだけの公演数、ライブを収めたテープ存在しないかな?情報お持ちの方、いらっしゃいますか?
最後にせめて映像を収録した日本テレビさん、「マウント・フジ・ジャズフェスティバル」の映像共々パッケージ(DVD)化の検討を!
以前発売した、第1回目のマウント・フジの2枚のハイライト集、LD(ビデオ)の再パッケージ(DVD)化だけでもいいんですが・・・。
何が危ない?-Look Out ! / Stanley Turrentine [Blue Note BLP 4039] ― 2007/03/13 16:00

引き続き、療養中。
ちょっと調子が良くなったので、昼食時に最近オープンした「ラブラ万代(新潟市)」を覗いてきました。
・・・いやーお昼休みで混雑していたのですが、昔(ダイエー新潟店)と比べお客さんが若年層中心になってしまったのには驚きましたよ。
あ、4階の「ヴァージン・メガストア」さん、ジャズ関連の品揃えを充実してくださいね。
中古コーナーのジャズ欄は「早速、お買い上げ」しまった程、良かったです。やれば出来るはず・・・よろしくです。
・・・・で、今日のアルバムは、スタンリー・タレンタイン(ts)+ホレス・パーラン(p)”Us Three”トリオの「Look Out !」です。
「Look Out」をネット辞書で検索すると<危ない!>とか言う意味になるみたいです。
ただジャケットだけでは、何を「Look Out !<危ない!>」と言っているのか判らないですが、「このテナーの新人にご注目!」みたいな意味なんでしょうか?
内容はBGMに最適。
程好くファンキーで、程好くソウルフルなアルバムです。
あと、ホレス・パーラン(p)・トリオのノリノリな演奏が聴けるのもポイント。
表題曲のブルース「Look Out」も良いのですが、今回はクリフォード・ブラウン(tp)作曲の「Tiny Capers」 を挙げておきます。
ピアノ・トリオをバックにテナー・サックスが「パラララパッパー、パッパラー」てな具合にソウルフルに演奏する。
なんて珍しいことか。
・・・何にも意識せずにソロを聴いていると、最近良く聴く「ソニー・ロリンズ(ts)」っぽいテナーの鳴らし方してるなー、とか思いました。
ちょっとだけですが・・・。
●Look Out ! / Stanley Turrentine [Blue Note BLP 4039]
side 1
01. Look Out (Stanley Turrentine)
02. Journey Into Melody (Robert Farnon)
03. Return Engagement (Horace Parlan)
side 2
04. Little Sheri (Stanley Turrentine)
05. Tiny Capers (Clifford Brown)
06. Minor Chant (Stanley Turrentine)
Stanley Turrentine (ts) Horace Parlan (p) George Tucker (b) Al Harewood (ds)
Recorded on June 18, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, NJ
●おまけ●
手持ちのCDは東芝EMI-RVGリマスター紙ジャッケットなんですが、しょぼいCDラジカセでも、ジョージ・タッカーの図太いベースが良く聴こえるのがうれしいです。
ご購入の際の参考までに。
フランスの個性派ピアニスト!-Lover Man / The Jacky Terrasson Jazz Trio [Venus] ― 2007/03/17 04:43

加持です。
実は昨日(3/16)、初めてジャズジャーナリスト・小川隆夫さんのブログ記事にコメントしたんです。
今何とかしたいなー、と考えている「紙ジャケットCD用の収納棚」についての内容だったので、つい・・・・。
そのやりとりの中で、小川さんからこのブログを見た感想メッセージを戴きました。小川さん、本当にありがとうございます。
小川さんから「アルバムのセレクション、いいですね。」なんて書いていただけると、ブログ更新に意欲が湧いてきます。
で追加コメントにも書いたんですが、「アルバム・セレクションの傾向が小川さん好み」な理由・・・。
学生の頃から、小川さんの記事やライナーノートを参考に、ジャズのアルバムを購入していた為(笑)です。
変なアルバムで散財しないよう、何十年にも渡り必死で読みつづけてますからね。
●小川隆夫さんのブログです。
下の記事の「comments」に加持とのやり取りが載っています。
●2007-03-16 焼け石に水
●小川隆夫のJAZZ blog 『 Keep Swingin' 』
・・・さて今回セレクトしたアルバムは、どうでしょうか?
前回の「バルネ・ウィラン(Barney Wilen)」に続き、フランス人のピアニストをご紹介します。
「ジャッキー・テラソン(Jacky Terrasson)」は、1993年の「セロニアス・モンク・コンペティション」で優勝した程の逸材。
現在はフランス在住。レーベル所属は「(仏)ブルーノート・レコード」のようです。
でも今回は、日本制作(Venus)のトリオ・アルバム「Lover Man」です。
なお最初に発売したものと最新版では、ジャケットが異なりますが、ここには「最新版ジャケット」を掲載しときます。
初っ端、リズミックにアレンジし直されたドナ・リーの勢いは本当に凄いです。
特に、レオン・パーカー(ds)のドラム最高!
そんなアレンジされたリズミックな曲と、「In Your Own Sweet Way」などのバラッド演奏とが程好い感じで並んでるという・・・。
本当に聴き易いアルバムです。
これは、プロデューサー・原哲夫さんの才能に拠る所が大きいかもしれませんね。
ブルー・ノートと契約した後のアルバム群なんかは・・・・(以下、省略)。
ちなみに、ジャッキーの才能の一つは、「過去の名曲」をリズミックにアレンジし直して彼独特の演奏にしてしまえる事、だと思います。
ついでに「ドナ・リー」ついてですが、チャーリー・パーカー(as)作曲と記載されていますが、実はこの曲、マイルス・デイビス(tp)作!のようです(記憶違いだったら失礼!)
●追加コメント(3/17)
先程(3/17)、ジャズ・ジャーナリストの小川隆夫さんからこの件について、コメントをいただきました。やはり、マイルス・デイビス(tp)作曲で正しいそうです。
また小川さんのコメントには、興味深いお話が付記されていました。
「タイトルはベーシストのカーリー・ラッセルの娘に因んだ名前だそうです。」
カーリー・ラッセル(Curly Russell)は、「バードランドの夜(A Night At Birdland with Art Blakey Quintet [Blue Note 1521/1522]に参加していたベーシストでしょう。
この追記を書き終えたら、久々にPee Wee の甲高い声を聴くことにします。小川さん、感謝します。ありがとうございます。
最後に、アルバムのデータです。
●Lover Man / The Jacky Terrasson Jazz Trio [Venus]
01. Donna Lee (C.Parker *→ Miles Davis)
02. Nardis (M.Davis)
03. First Child (J.Terrasson)
04. In Your Own Sweet Way (D.Brubeck)
05. Wail (B.Powell)
06. Lost (J.Terrasson)
07. Broadway (H.Woode-T.McRae-B.Bird)
08. Lover Man (R.Ramirez-J.Sherman)
09. Close Enough For Love (J.Mandel)
10. Love For Sale (C.Porter)
Jacky Terrasson(p) Ugonna Okegwo(b) Leon Parker(ds)
Recorded on November 18 & 19, 1993 at Clinton Studio "A", NYC.
・・・ずーっとジャッキーのアルバムを聴き続けた感想を。
このアルバムが、彼の最高傑作。
●おまけコメント●
私が大好きなミッシェル・ペトルチアーニ(p)亡き今、ジャッキーにはもっと頑張ってもらいたいところです。
ジャッキー・テラソンとバルネ・ウィラン(ts,ss)が競演した録音もあったりします。
それは、1990年録音の「Paris Moods / Barney Wilen [Alfa Jazz ALCB 9515」 です。
リズミックな8曲目、「Mon Blouson (C’est Ma Maison)」で、ジャッキーが大暴れ(笑)。
あと、2002年の「Smile [Blue Note]」などは、S.ワンダーの「イズント・シー・ラヴリー?」とか、個々の曲の演奏は素晴らしいのです。
ただしアルバム全体を聴き通すとなると・・・やはり、このアルバムには敵いません。
ジャッキー・テラソンは、公式サイトも開設していますので、お時間のある方はどうぞ。
-Jacky Terrasson Official Website-
https://www.jackyterrasson.com/
ベニー&ソニー!-Bennie Green [Time S/2021] ― 2007/03/18 04:30

・・・・実は、木曜日から新潟市にある秘密の仕事場に泊り込んで、お仕事していまーす(泣)。
なので昨日のお昼は、気分転換に新潟市の古町界隈を散策と洒落込みました。
そこで偶然見つけた梅(まさか桜?)の、ほんのりとしたピンク色にしばし癒されましたー。
あと、ふらっと立ち寄った中古CD屋さんで、「Introducing The Three sounds +6 (CP32-5206) [Blue Note 1600]」を700円で買えたり・・・。
あ、中のライナーノート翻訳、昨日コメントいただいた小川隆夫さんだ!!!まあ偶然なんて、こんなものですよね。
・・・で、今日は私がリラックスしたい時に聴くアルバムを取り上げることにします。
今回は魅惑の低音楽器!トロンボーンのベニー・グリーン(Bnny Green)です。
ピアニストの方じゃーありません(笑)。
お勧めの1曲は、のほほんとした雰囲気がたまらない「時には楽しく( Sometimes I'm Happy)」です。
もう、2管で演奏されるテーマ部から、リラックス出来ますよー。
蛇足ですがこのアルバム「Bennie Green」、ピアノのソニー・クラーク(Sonny Clark)を主役として聴いてはいけません(笑)。
録音データを確認して、ああ・・・ピアノはソニーなんだ・・・位が丁度いい按配です。
最後にアルバムの録音データをどうぞ。
●Bennie Green Time S/2021
01. Sometimes I'm Happy (V.Youmans)
02. Cool Struttin' (Sonny Clark)
03. Solitude (D.Ellington)
04. Sonny's Crib (Sonny Clark)
05. Blue Minor (Sonny Clark)
06. And That I Am So In Love (H.Ousley)
Jimmy Forrest(ts) Bennie Green(tb) Sonny Clark(p)
Paul Chambers(b) Alfred Dreares(ds) Joseph Gorgas(conga,bongo)
Recorded on September 27,1960 in NYC
●おまけ●
白状しておきますが、このアルバム買った動機は、自作曲を3曲携えて参加しているソニー・クラーク(Sonny Clark)の参加です。
特に、ミディアムテンポのブルース「Cool Struttin'」と、マイナー・ハードバップ・チューン「Blue Minor」は、私が学生時代に参加していたバンドで演奏した曲なので、 思い入れがあるんですよ。
ついでにこのアルバムでベニーのトロンボーンが好きになったので、勢いでブルーノートに残された3枚のリーダー・アルバムまで購入してしまいました・・・。
あの3枚も、リラックス出来る結構いいアルバムですよ。
あと、「時には楽しく(Sometimes I'm Happy)」の名演と言えば、ウォルター・ビショップJr(Walter Bishop Jr,)の「スピーク・ロウ[Jazztime]」ですよね。
かつて「幻の名盤」といわれたあのアルバムも、リラックス出来ますよー。
朝日のように・・・ - Live! At Cafe Bohemia / The George Wallington Quintet [prestige 7820] ― 2007/03/20 08:11

今日の新潟は冬に逆戻りしています、積雪も少々。ただ今、窓から差し込む朝日が綺麗ですね。
東京は、今日の午後に桜の開花宣言が出されるそうですが、新潟の「桜の蕾」はこの寒波でダメージ受けないでしょうか?心配です。
こんな朝は洒落て、「朝日のようにさわやかに(Softly As In A Morning Sunrise)」が入っているCDでも聴くか・・・。
ということで今回は、寝技で攻めてみます。
今回は、バップ・ピアニストのジョージ・ウォーリントン(p)が、ドナルド・バード(tp)とジャッキー・マクリーン(as)の2管フロントを率いてた頃のライブ録音です。
後に「名コンビ」と言われるフロント2人も、溌剌とした演奏を聴かせてくれます。
・・・しかし、青緑一色で印刷されたアルバムジャケットが醸し出す雰囲気!加持はジャケットを観ただけで、もう満足です。
1曲目のアップテンポナンバー、「Johnny One Note」では、初々しいフロント2人が、小鳥がさえずりのように可憐な演奏を繰り広げてくれます。
ミディアムテンポで爽やかな5曲目 「Jay Mac's Grib」 は、ドナルド・バード(tp)の作曲。
ここでは、ポール・チェンバース(b)のロング・ソロも聴けます。
テーマの途中で、「朝日のようにさわやかに」のフレーズがちょこっと出てくるのはご愛嬌ですね・・・。
多分バードは、「朝日・・・」を下敷きにしてこの曲作ったんでしょうね(笑)。
まあ・・・ジャケットと演奏が良ければいいんです。
有名曲のコード進行「拝借」は、曲使用料を「合法的」に払わない為の、チャーリー・パーカー(as)の時代からの「知恵」ですからね。
そのまんま使ったりするとよくある、「盗作」「パクリ」騒動になるんです・・・・。
余計な事を書きすぎましたが、アルバムの詳細は次の通りです。
●Live! At Cafe Bohemia / The George Wallington Quintet prestige 7820
01. Johnny One Note (Rodgers-Hart)
02. Sweet Blanche (George Wallington)
03. Minor March (Jackie McLean)
04. Snakes (Jackie McLean)
05. Jay Mac's Grib (Donald Byrd)
06. Bohemia After Dark (Oscar Pettiford) ~ The Peak (Jackie McLean)
Donald Byrd(tp) Jackie McLean(as) George Wallington(p) Paul Chambers(b) Art Taylor(ds)
Recorded live at the Cafe Bohemia,NYC on September 9,1955
●おまけ●
蛇足ですが、アルバムの中で聴かれる、短いセンテンスでお互いの演奏を刺激し合う、1音づつのソロ交換らしきものを、「ペック(奏法)」と呼んでいるみたいです。
ただしその後、この奏法がジャズ界に広がった気配はありません(笑)。
ついでに話題に上った、バードことチャーリー・パーカー(as)の話をすこし。
私の好きなチャーリー・パーカー作曲「Bird of Paradise」のコード進行は、「All The Things You Are」のものを拝借したものです。
チャーリー・パーカーがこの曲を録音時、相棒のマイルス・デイビス(tp)が思わず「All The Thins You Are」のテーマを吹きかけてたのを制止(笑)した録音も残ってます。
案外パーカーのことだから、録音の後でマイルスに、「お前、俺の替わりに、曲の使用料を払うか?」なんて言ってたりして・・・。
単なる想像ですが。
あと録音に参加したデューク・ジョーダン(p)も、自身のリーダー・アルバムで何度か「All The Things You Are」を演奏してまして。
イントロ部分に 「Bird of Paradise」 で使ったイントロを、そのまま演奏してたりします。
という事は、あの印象的なイントロ、名作曲家でもあるデューク・ジョーダンのアイデアなんだろうと思われます(推測)。
☆3/29追加☆
詳細はまだ不明ですが。
4月10日に「Lonehill Jazz Spain」から、未発表曲も含めた「完全版」が発売されるみたいですね。楽しみです。
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